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「親がするべき“しつけ”は?」「子どもをどのように怒ればいい?」4人の子どもを東大理3に合格させた佐藤ママの“教育方法”

『勉強する子になる100の習慣』より#2

2021/10/12

source : ノンフィクション出版

genre : ライフ, 教育, 社会, 読書

note

8.とにかく親は落ち着いて理論立てて話すこと

Q.子どもをどのように怒ればいいのかわかりません。

 

A.感情的に怒らずに、落ち着いて考えて子どもに説明して納得させることが大事です。

 親が感情的に怒らないということが一番大事です。子育て中は、常に睡眠不足で、思い通りにできない家事、自分の時間が持てない、体力を使うということがお母さんを精神的に辛くしていますし、本当に日々体力的にも疲れているかと思います。お母さんがそのような状態だと、子どものちょっとしたことに腹が立って子どもにとって理不尽な怒り方をしてしまいがちです。カッとなってしまいそうなときには、まず口を閉じて鼻から大きく息を吸いましょう。口を開けると子どもを傷つけてしまうようなとんでもない言葉を吐いてしまいますから、まず落ち着くことです。親はそもそも、何十年も早く生まれているのですから小さな子ども相手に感情的になるのはカッコ悪いです。

 怒りたくなることが10個あったら、本当に怒らないといけないことはその中で1個あるかないかです。声の大きさにも注意が必要ですね。特にお父さんは、大きな声で恫喝するような怒り方になりがちなので気をつけてください。自分は父親なのだからそのような態度に出てもいいと思っていますが、子どもから見てもとても知的には見えないし、ましてや尊敬できる大人にはとても思えません。お母さんは、怒ると甲高い声になりがちです。簡単に言えば「キャンキャン」という感じに聞こえます。そのような言い方で何を言っても、残念ながら子どもの心には響きませんね。とにかく、親は落ち着いて理論立てて、親の考えることを説明し子どもを納得させなければなりません。何はともあれ、感情的になることは避けることにしましょう。

9.誕生日は特別な日 でもクリスマスは……

Q.誕生日のプレゼントに子どもが不満そうでした。

 

A.子どもにとって1年のうちで自分だけのビッグイベントですから大事にしてあげましょう。

 他のきょうだいの誕生日のプレゼントと比べているのでしょうね。「なぜ、僕のプレゼントは、お兄ちゃんの時のものより安そうなものなの?」とか思っているのではないですか? 誕生日というのは、子どもにとって1年のうちで自分だけのビッグイベントですから大事にしてあげないといけないのです。

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 クリスマスは、みんな同時のイベントなので、誕生日に比べると少し重要度は下がります。とにかく、プレゼントの選定には気を遣いますよね。年齢によって喜ぶものは違うし、その時に流は行やっているものも変わってくるし、値段が大きく違うのも見たらすぐわかるし、毎回プレゼントには頭が痛いですよね。

 私は、さまざまなシミュレーションを頭の中でした結果、誰かの誕生日には同じプレゼントを人数分買って子どもたちみんなに渡すことにしました。例えば長男にあるおもちゃをプレゼントしたとします。子どもは新しいものが大好きですから、他の子どもたちは長男がもらったプレゼントが珍しくてたまりません。だから、そのプレゼントを「後で貸して」と長男に頼みますが、長男は自分がもらったものなのでしばらくはそれで遊びたくて、なかなか貸そうとはしないでしょう。他の子どもは、長男が楽しそうに遊んでいる様子を指をくわえてしばらくは見ているという状況になりますね。その様子はかわいそうではないですか? 

 しかも、きょうだいが4人だったら、いつも誰かの誕生日には、幸せな人間が1人、楽しくない人間が3人ということになります。そうなるとプレゼントは罪作りなものとなります。そのことを避けたかったので私は誕生日には本人と同じプレゼントを他の子にも渡すことにしていたのです。だから、我が家の子どもたちは、自分の誕生日だけではなく、他のきょうだいの誕生日も本当に楽しみにしていました。多少お金はかかりますが、子どもたちの心に残る楽しい思い出を作るためには、お金には代えられないと思います。