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立ち食いそば屋の「時価」っていくら? 信州屋「時価松茸そば」を食べてみた《しぶそば、ゆで太郎でも“秋の味覚”を発見》

2021/10/12

genre : ライフ, グルメ

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 7~9月のコロナ新規感染者数の爆発的増加がウソのように減衰し、緊急事態宣言も10月1日にようやく解除となった。立ち食いそば店にも徐々に客が戻りつつある。それに併せるように秋の季節メニューを各店で展開し始めているようだ。そこでいくつか食べてみることにした。

秋の恒例、信州屋「松茸そば」

「立ち食いそば屋には松茸そばは売ってないだろうな」と誰しも考えるはずだ。老舗店なら定価で2000円は下らない。しかし、毎年秋になると「時価松茸そば」を低価格で販売している立ち食いそば店がある。「信州屋」である。

「信州屋」は渋谷の立ち食いそば屋としては貴重な存在

「信州屋」は1986年(昭和61年)創業。クマガイコーポレーション株式会社が経営する立ち食いそば店で、「渋谷店」の他に「新宿南口店」、上野の「喜乃字屋」などがある。開店当初から押し出し式の製麺機を使う画期的な店であった。

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 渋谷駅周辺の再開発で「麺KAWAKEI」や「本家しぶそば」がなくなってしまった今、「信州屋」は「富士そば」とならんで貴重な立ち食いそば店となっている。コロナ禍で相当厳しい経営状態と聞くが、今年も恒例の「時価松茸そば」を販売するというから有難い。その値段は時価で、仕入れ値によって680円~980円の範囲で変動する。

店奥のカウンターで注文する。昼はいつも一杯だ

 訪問した時は780円で販売していた。カウンターで注文すると、押し出し式製麺機から麺がにゅるっと湯釜に落ちていき、30秒程度で茹で上がる。かき揚げ天もうまそうだ。2~3分で「時価松茸そば」の完成である。

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