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 誰かが伊藤管長の経理を探り、検察にリークしたということでした。大阪府警は伊藤管長を脱税で逮捕するため周辺を事細かに調べ上げていました。ところが、伊藤管長の金庫番がなかなか巧妙に処理していたらしく、簡単に尻尾を出さない。そこでわたしとの未成年淫行で身柄を引っ張りたいのだと本音を話してきました。

不純異性交遊で鑑別所行きに

「分かるやろ。伊藤は悪いやつなんやで。そういうことでな、刑事さんたちに協力してくれへんか。伊藤と性交渉を持ったことがあるんやろ?」

「いいえ、伊藤さんのことは知っていますが、脱税だなんて言われてもわたしには関係ないですし、伊藤さんとも男女関係はありません。無いもんを認めるわけにはいきませんわ」

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生島マリカ氏 撮影=中里吉秀

「強盛やなあ。ワシら伊藤を逮捕するため何ヶ月も寝る間を惜しんで時間を費やしとるんや。協力してくれへんのやったら仕方がない、すこーし、頭を冷やしてきてもらうで」

「どういうことですか」

「鑑別行ってこい。しばらく」

「え、なんで? 罪はなにで」

「不純異性交遊や」

「そんな、不純異性交遊て……」

「あのな、未成年がむやみにセックスするのを日本国家は認めてないんや」

「意味が分からんわ」

 吐き捨てるように言った。

「おう、おまえ! ええ加減にせえよ。調子に乗ってんのも今のうちやど。今ここで大人しく認めてお家へ帰るか、あくまでもワシらに楯突いて非協力的な態度を取り続けてよ、年少まで行くか、鑑別の中でよう考えろ」

「ちょっと待って。なんで不純異性交遊で年少まで行かなあかんの?」

「あほう、おまえのせいでワシらの苦労が水の泡になるんじゃ。5年は行くつもりでおれよ」

「無茶苦茶ですやん!」

「何も無茶苦茶やあらへん。事実おまえは素行不良やし、タバコ、酒、夜遊び、家出と、義務教育たる中学校へも行ってない。反社会的な要素でいっぱいや。覚悟せいよ、5年はつけたるさかい、出てきたら20歳やのう。残りの10代をずっと年少で過ごせ」

 これは父の仕業だ。

 父は自分の怒りを鎮めるためだけに、わたしを犠牲にしたのです。14歳のわたしを世間の晒し者にしても自分の恨みを晴らそうとしたのでした。迷いましたが、ここまできたら貫くしかない。