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「困るほどではなかったけど…」
近年耳にすることが増えた「多様性」についての意識が広がったことも追い風だと加藤さんは感じているという。
「多様な生き方が受容されていくことで、若い時期に起業することも、感覚過敏であることも、白い目で見られなくなっていくのだと思います。それに、多様な人が抱える多様な課題を解決することが、実は大勢の人の生活にもつながっていると思うんです。触覚過敏の人のために作った縫い目やタグがない服は、感覚過敏ではない人にとっても着心地がいいものになる。『困るほどではなかったけど、こっちの方がいいな』という課題はいっぱいあるんです。困っている人も困っていない人もハッピーになる、そんな仕事がしたいですね」
そして、同年代の起業を考える人に対して、こうメッセージを送る。
「高校出てから、大学出てから、大人になってからとやれない理由を作っていたら、いったいいつやれるのでしょうか? やりたいことがあるなら、『今』やりましょうと伝えたいです」