昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載ネット秘宝を探せ!

銀行強盗に入ったピザ配達人が「爆死」…奇怪な事件を企てた“邪悪な天才”の正体は

2021/10/17
 

 ネットフリックスの“キラーコンテンツ”の一つが所謂「殺人事件(マーダーケース)」モノ。中でも、『邪悪な天才:ピザ配達人爆死事件の真相』は作り手の執念で真相に迫った見応えあるドキュメンタリーだ。タイトル通り、ピザ配達人が爆死するという惨たらしい事件だが、それはまるで映画『セブン』を思わせる奇怪な事件だった。

 2003年、米国ペンシルベニア州で銀行強盗が発生。犯人の男は杖型の仕込み銃を持ち、首には爆弾と一体となった首輪をはめた状態。白いTシャツの胸には「GUESS(推理しろ)」の文字が……。異様な姿の犯人は論文のような文章で25万ドルを要求。受付にあった8000ドルの現金を手にして銀行を出たところで警察に捕らえられた。

「手錠を外せ、爆発しそうだ」

 自らの命と引き換えに銀行強盗? 警察は男を包囲した。

「爆弾を外す鍵を取ってきてくれ! もう時間がない」

 半信半疑の警察官たち。程なくして警告音が鳴り始める。

「爆発する! 嘘じゃない」

 直後、本当に爆弾が破裂し、犯人は絶命した。男はブライアン・ウェルズというピザ配達人。残された証拠によると、彼はその日、ピザを森にある電波塔へ届けた際に爆弾付きの首輪を装着され、何者かによる指示書に従い“宝探し”のように爆弾を外す鍵を求めて一連の行動を取っていた。その後、電波塔近くの家から冷凍庫に入った遺体が発見され、2つの事件の繋がりから少しずつ全貌が明らかになる。

©佐々木健一

 首謀者と見られる人物は、“邪悪な天才”マージョリー・ディール=アームストロングという女性。極めて知能は高いが、精神を病んでいた。彼女に引き寄せられるように複数の男たちが絡み、事件は複雑怪奇な様相を呈していく。

 本作のプロデューサーは根気強く取材を続け、事件発生から10年後、ある意外な人物から真相を打ち明けられる。その証言と共に、最後の最後に示される一文に心が震える。

INFORMATION

『邪悪な天才:ピザ配達人爆死事件の真相』
https://www.netflix.com/jp/title/80158319

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春をフォロー