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街のそば屋にラーメンがあるのはなぜ? 知られざる「中華麺をそばつゆで」の世界

2021/10/26
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「中華麺をそばつゆで」食べる方法は2つある

「中華麺をそばつゆで」食べるには、大きく2つの方法がある。まず1つは「かけ中華」である。かけそばのように温かいそばつゆに中華麺を泳がすタイプである。そして、もう1つは「ざるそば」のように冷たい中華麺をせいろに載せて、冷たい辛汁あるいは温かいつけ汁(かもせいろを想像してください)につけて食べるタイプである。これを「もり中華」と便宜上命名しておく。

東京近郊で「かけ中華」その1

「東京界隈で食べることができる店はないの?」と心配する方もいらっしゃるかもしれないが、大丈夫、ちゃんとあります。

 銀座の数寄屋橋交差点近くの銀座4丁目にある「よもだそば 銀座店」の自動券売機には、「ラそば変更券50円」というボタンがある。普通のそば・うどんのメニューを買ってこの変更券を買うと、そば・うどんを中華麺に交換してくれるというサービスだ。つまり、すべての麺メニューを中華麺にできるわけである。温かいそばも冷たいそばもすべて変更可能。なお日本橋店には現在、そのサービスはない。

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 さっそく訪問し「ゲソ天ラそば」を注文してみた。中華麺は注文後に茹でるので2分程度待つ。

銀座4丁目の一等地にある「よもだそば 銀座店」。元ラーメンの末廣だったところ
ラそば変更券50円で麺を変更できる
新提案としてラそばを紹介
ゲソ天ラそば
中華麺でもまったく違和感なくおいしい

 その中華麺は細麺で、そばつゆにマッチしている。何となく麺に甘さを感じる。そばつゆとの相性は抜群である。もちろん違和感など皆無である。実は冷しで食べると、これがまた抜群のうまさである。どうしても定期的に食べたくなる一品だ。