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「薬も飲んでいるのに、どうして?」抗うつ薬で症状が改善しない中高年男性は要注意! 経験者が明かす“男性更年期”のリアル

『LOH症候群』より #2

2021/11/10
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テストステロンを補充し改善

 抗うつ薬は気分の落ち込みや不安をやわらげるものです。ところがそれ以上の社会性、たとえば仕事にやる気が出るとか、他者に興味を持つ、自己主張をするといった、「積極性」をもたらすとは限りません。抗うつ薬や抗不安薬を長期間服用していると、薬の作用でテストステロンが下がってしまう方も多いことがわかっています。実際、私の患者さんにもそういう方はいらっしゃいました。

 テストステロンが下がっているうつ病患者では、外からテストステロンを補充することで半数以上の人が改善します。この改善というのは、単に症状が取れるだけでなく、元気でハツラツとして仕事ができるようになるということです。以前と同じように働くには、それだけのエネルギーを出せる力と環境が必要です。そこで必要となるのがテストステロンなのです。

私の患者のAさんもテストステロン値が低いLOH症候群になっていたため、テストステロン補充療法を行いました。休職中にサーフィンを再開できるようになり、今では元の職場に復帰して元気に働いています。

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【前編を読む】「社会的な要因によって起こる病気といっても過言ではない」医師が警鐘を鳴らす“男性更年期障害”の知られざる真実《チェックリスト付き》

LOH症候群 (角川新書)

堀江 重郎

KADOKAWA

2021年11月10日 発売

「薬も飲んでいるのに、どうして?」抗うつ薬で症状が改善しない中高年男性は要注意! 経験者が明かす“男性更年期”のリアル

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