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テストステロンを補充し改善
抗うつ薬は気分の落ち込みや不安をやわらげるものです。ところがそれ以上の社会性、たとえば仕事にやる気が出るとか、他者に興味を持つ、自己主張をするといった、「積極性」をもたらすとは限りません。抗うつ薬や抗不安薬を長期間服用していると、薬の作用でテストステロンが下がってしまう方も多いことがわかっています。実際、私の患者さんにもそういう方はいらっしゃいました。
テストステロンが下がっているうつ病患者では、外からテストステロンを補充することで半数以上の人が改善します。この改善というのは、単に症状が取れるだけでなく、元気でハツラツとして仕事ができるようになるということです。以前と同じように働くには、それだけのエネルギーを出せる力と環境が必要です。そこで必要となるのがテストステロンなのです。
私の患者のAさんもテストステロン値が低いLOH症候群になっていたため、テストステロン補充療法を行いました。休職中にサーフィンを再開できるようになり、今では元の職場に復帰して元気に働いています。
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