――そこまでしてもらったら、ウルフマン・ジャックも感極まったでしょうね。
赤坂 番組の時、ウルフマンは涙を流してましたね。「アジアにいた青年が、遠い昔に私が出た映画を観て憧れ、おとなになってアメリカにまでやって来て、私をニューヨークに呼んでラジオ番組をやってくれるなんて」と言ってもらえて、こっちも感無量でした。
――放送から2カ月ほど経った7月1日、ウルフマン・ジャックは亡くなってしまう。
赤坂 まさかでしたね。日本に彼を呼ぶ予定だったんですよ。「あなたがやっているプラネット・ハリウッドのショーと、僕がいままでやってきたことをミックスしたショーをやろう」と。日比谷の野音のようなところにブースをふたつ作って、バンドはいないけど、レコードだけでお客さんを熱狂させるDJショーをやりたかったんです。
その企画を話したら「乗った! 絶対、日本に行く」と言ってくれて。打ち合わせをしようとアメリカに行く時期をいつくらいにしようかなと考えていたら、訃報が飛び込んできちゃって。
「今のテレビには赤坂さんが足りない」放送ですごい数のLINEが
――赤坂さんもウルフマン・ジャックのように、ラジオやテレビで若者たちを夢中にさせてきたと思います。というのも、今年の2月14日に放送された『千鳥vsかまいたち』(日本テレビ)で千鳥の大悟さんが「今のテレビには赤坂さんが足りない」と訴えて、『ヒッパレ』での赤坂さんを真似していました。
赤坂 知ってます。というか、僕も見ました。「見た見た」って、すごい数のLINEが来ましたよ。「えっ、こんなに俺のこと面白くしてもらえるんだ。すごいな、千鳥さんたち」と思いましたね。自分には、そんなに需要があると思ってないから驚きましたよ。
――「今のテレビには赤坂さんが足りない」という言葉、そのとおりだなと思ったんです。やっぱり、『ヒッパレ』の赤坂さんは唯一無二の存在だったんじゃないかなと。実際、テレビにもラジオにも後に続くようなキャラクターの方が出てきていませんから。
赤坂 そうですかね。だったら準備はできているので、お声がけしていただきたいですね(笑)。
写真=末永裕樹/文藝春秋
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