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真並 社会や、この世の中にそこまで関心がない人だと、ノンフィクション系の題材は描けないと思うんです。
元々、佐倉さんはアンテナを張っていらっしゃって、ニュースの話や時事ネタを会話の中でできる方だったので、いけるのではないだろうかと思って。描いてみてはどうですかという話をした記憶はあります。
天才外科医がバシバシ治す、みたいなストーリーは…
——医療ソーシャルワーカーに惹かれたのはどういう気持ちで?
佐倉 私の性格的に、天才外科医が病気をバシバシ治していくみたいなストーリーは多分描けないんですね。だから、もっと他の、病院の中のいろんな仕事をふたりで探してみようっていうことで。
調べていくうちに、すごく分野の広い問題に対処している医療ソーシャルワーカーっていう職業があることが分かって、描いてみようという方向になりました。
——日常生活の中で医療ソーシャルワーカーと関わる経験があったわけではなかったんですね。
佐倉 はい。本当に、これをきっかけに知って。真並さんもなかったですよね?
真並 そうですね。私も調べてみて初めて仕事の名前を知りました。
ただ、単行本ができて、いろんな方面に配っている時、「自分の親がソーシャルワーカーにお世話になった」という人は周りにちらほらいました。皆さん「すごく大切な仕事だと思うので、頑張って描いていってほしいです」と言ってくれて。実際にソーシャルワーカーにお世話になった人達が皆さん存在意義を見出していたのが印象的でした。