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事故物件はお買い得なのか?

 事故物件は本当にお買い得なのかという話ですが、無責任ながらも私の肌感覚でお話しすると、「1割から2割くらいお安い」「しかも指値(値切り)が通りやすい」「状態が悪いものだと爆裂お安いのもある」という感じで、単純にモノとして考えれば確かにお買い得なように思います。

 冒頭でご紹介した「不動産投資デビューが事故物件」という方が買った都内の戸建てがよい例で、売出し価格は同スペックのものからおおむね2割安。そして売主さんが早く手放したがっていたのか、1割程度の指値まで効きました。

 しかし買付価格が安くても、貸し出す際のお家賃が安くては意味がありません。ところが意外なことに、事故物件でも家賃の下がり幅がそこまで大きくならないものがあります。

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家賃の下がり幅が小さい「事故物件」とは

 一般的に、事故物件になると2割から3割の家賃減額が必要と言われていますが、人気エリアの物件で、かつ軽微な心理的瑕疵であれば、それほどの減額にはならないケースがあるというわけです。

 逆に郊外エリアで、同種の物件が供給過剰になっているようなケースでは、相当の減額をしないと決まりにくいのでしょう。

※写真はイメージ ©iStock.com

 気になる人は不動産ポータルサイトで「告知事項あり」という物件を見つけ出して、似たようなスペックの物件と賃料を比べてみてください。意外にお安くないな…というのがチラホラあるのではないでしょうか(店頭で値切れる可能性はありますが)。

 ちなみに先ほどの「不動産投資デビューが事故物件」というケースがどうだったかと言うと、前の所有者さんがご病気で亡くなられたという軽微な心理的瑕疵で、人気エリアの戸建てという希少性があるためか、相場より数千円お安い程度の家賃で入居者がすぐ決まりました。

 指値も入れれば買値は3割安くらいのお得感で、かつリフォーム代もかかっていません。これが、どれくらいラッキーな買い物だったのかはご理解いただけるかと思います。しかもこれ、不動産価格が狂い上がっている今年の話ですよ。マジ羨ましい。

 つまるところ、事故物件投資は物件価格と家賃の下落幅のギャップを突いた投資法だと言えるでしょうか。物件自体の吟味は必要ですが、やっていること自体は普通の不動産投資と同じなので、投資法というよりは「おぬし勇気があるな」って感じですね。