50歳の長谷川雅紀と43歳の渡辺隆による遅咲きのお笑いコンビ・錦鯉は、昨年の『M−1グランプリ』でようやくブレイクした。そんな錦鯉の魅力が最も発揮されているのが、お笑いラジオアプリ・GERAで毎週月曜日に配信されている『錦鯉の人生五十年』である。
お笑い芸人のラジオの話題のみが詰まった異色のムック本『芸人ラジオ Vol.2』(辰巳出版)掲載のインタビューを一部抜粋。番組内で爆笑を生んでいる長谷川の“老い”と“過去の珍事”について掘り下げてみた。(全2回の2回目/前編を読む)
歯がないのに実はおぎやはぎ、矢部浩之と同年齢
――ラジオをやっている芸人さんで、長谷川さんと同い年の方を探すと、おぎやはぎのお二人とか、ナインティナインの矢部浩之さんになるんですが、そういう方たちが長谷川さんみたいなことを言っているイメージってないんですよね。
渡辺 ないですよね。しっかり流暢に話されてますよ。
――歯がないなんて言っているイメージもないですし。
渡辺 そうですよね。マジで一緒に喋っていると、おじいちゃん相手にしているように感じるのに。
長谷川 同い年の人と比べるとわかりやすいですねぇ。
渡辺 こんなヨボヨボの人いないですよ(笑)。
――この世代だとすでに成功している芸人さんのラジオになるので、逆に長谷川さんのトークが新鮮なんだと思います。
渡辺 なるほど。本当はこうだよと。あっちは成功者だよと。
長谷川 あっちが異常かもしれないですね(笑)。
――長谷川さんは50歳になったばかりですけど、「明日やればいいやで50年やってきた」という話が印象的で。この番組でもエアコンのフィルターを一向に掃除しないとか、『ドラゴンクエスト11』を買うと言ったのになかなか買わないとか、そういうエピソードに事欠かないですよね。
渡辺 ドラクエは結局僕があげましたから。
長谷川 もともとそういう性格なんです。その場ではいいことを言うし、「やります」って言っちゃうんですよ。言うくせにやらないという。
渡辺 何をやるか全部忘れちゃってるんだよね。今、ラジオで勉強して、大学に行くっていう話をしているんですけど、今日の収録でそれを言ったら、「ああ、そうだった」って。もう3週も4週もその話をしているのに、全然染みこんでない(笑)。
長谷川 知り合いの芸人と会って、「バイトは何やってんの?」と聞いたら、「えっ? 聞かれたの5回目ですよ」って。前に聞いたのに、また同じ質問しちゃうんですよねぇ。