連戦の疲れも出てくる中、リーダーの西山さんが頑張って2勝目をあげてくれた。
3局すべて同じ相手だなんて
ABEMAトーナメントのルールはよくできている。
5勝したチームが勝ちだが、1人3局までしか指せない。つまりリーダー1人で3勝するだけではチームは勝てないのだ。
この強いリーダーを、頑張って引っ張ってくれるリーダーを、自分の不甲斐なさで負けさせる訳にはいかない。
2-3で迎えた6局目で、私の出番が再び来た。
相手はまた同じ、内山さんだ。もう負けるわけにはいかない。強い気持ちを持って臨み、今度は勝ち切った。
帰ったオーダー部屋でみんなが温かく迎えてくれて、やっとチームメイトの目を見れた気がした。この感じならもう1局行けると思い、7局目も私が出た。相手はまた内山さん。
3局すべて同じ相手だなんて、ちょっと楽しくなってしまう。
気持ちは3番勝負の最終局。チーム戦を度外視しても、これもやはり負けられない。意地もあるので、3局目も同じ戦型にした。
3局の中で一番難しい将棋だった。
託すことに何の躊躇いもないリーダーである
終わった後に思わず「また指しましょう」と声をかけた。真剣に将棋を3局指して、少し仲良くなった気がしていたら、エンディングのインタビューで内山さんも同じことを言っていた。
4勝目をあげて、あとは西山さんに託した。託すことに何の躊躇いもないリーダーである。ジリジリとした展開だったが、抜け出してからが危なげない。
西山さんはチームの5勝目をあげるとともに、個人で予選リーグを6戦全勝で駆け抜けた。
怒涛の1日を終えて、タクシーで揺られて帰った。
次の日に娘の用事で登山だと言ったら、みんなに「正気か?」という顔をされた。
チーム西山はとても良いチームだ。