昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

 さらに、年間に生産される7000頭強の競走馬のうち、ダービーを勝つ馬は1頭のみ。これはもう、砂漠で宝石を探すようなもの。Aさんのように年間所有頭数が1頭の場合、G1馬を所有するなど天文学的確率だ。

 難易度の高いダービー馬を4頭も所有したのが金子真人さんである。キングカメハメハに始まりディープインパクト、マカヒキ、ワグネリアン。この4頭を含めて所有したG1馬は14 頭。JRAの重賞勝ち鞍は100勝の大台に達している。

 凄まじい結果である。これはもう、資金力という言葉では片づけられない。馬を見る眼=相馬眼は、ほかの馬主が持たない「何か」をもっている。「伝え聞いた話だけど、金子さんは、馬を見るときの目線が、僕らとはまるで違うらしい。馬体と同時に馬の目を見つめ、そのときに感じた直感を大事にしている、とね」(Aさん)

種牡馬として日本一の成功を収めたディープインパクト

 2002年。ディープインパクトがセレクトセールに出品された際、金子さんは7000万円で競り落とした。この年上場されたサンデー産駒は14頭おり、ディープの落札価格は上から9番目だった。「小さい馬だったけど、ディープの瞳に吸い込まれそうになったと金子さんは語ってたね」(Aさん)

©文藝春秋

 7000万円で購入された同馬はG1を7勝。14億円超の賞金を獲得し、さらには種牡馬として日本一の成功を収めている。引退の際に100億円で購入したい、との話を金子さんは拒否したそうである。

 10年後、ディープインパクト産駒の入着賞金は国内だけで675億円にも達した。