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2021/11/29

竜王と名人では同時に保持するほかのタイトル数が多いほうが上位

 また、同段位の中では「その段位に早く上がったものが上位」となる。九段筆頭の桐山清澄九段は棋士番号93で九段昇段時が1984年。桐山の次に棋士番号が若い九段は114番の青野照市九段だが、青野の九段昇段は1994年。よって棋士番号は147ながら1989年に九段昇段を果たした南芳一九段の方が上位となる。

 ただ、タイトルを持たない同段位同士の棋士による対局があった場合は、序列よりも棋士番号を優先しているケースが多そうだ。序列上位とはいえ、先輩を差し置いて上座につくという光景はまず見かけない。

 そして上記の「竜王と名人では同時に保持するほかのタイトル数が多いほうが上位」という現行の規定が作られたのは実はここ10年ほどで、割と最近なのである。長らく、「竜王と名人で棋士番号が若い(先輩)ほうが上位」の規定のみが周知されていた。竜王一冠と名人含む三冠、あるいはその逆の場合のケースなどでも、他のタイトルは関係なく、竜王と名人のうちの先輩が上位とされていた。現行の規定を知った時に「えっ、変わったの?」と思った記憶がある。これは筆者だけでなく、多数の関係者が似たような感想を話していたはずだ。

 現行の規定が導入されたことが確認できるのは2012年である。その年の名人戦が終わった時点で発刊される将棋年鑑には、棋士が序列順に並んでいるページがあるが、2012年版の年鑑で筆頭になっていたのは渡辺明竜王(王座)だ。続くのが森内俊之名人で、以下、羽生善治王位・棋聖、郷田真隆棋王、佐藤康光王将……となっていた。その前年は森内名人が筆頭で、渡辺竜王が二番手だった。

名実ともにトップに立った藤井竜王の快進撃はどこまで続くのか 写真提供:日本将棋連盟

藤井竜王の時代はどこまで続くのか

 長年、将棋界の序列1位は名人と決まっていたが、1987年に「将棋界最高峰の棋戦」として竜王戦が創設された。第1期竜王戦が決着した1988年11月17日以降の序列1位経験者を順番にあげると、谷川浩司九段、中原誠十六世名人、米長邦雄永世棋聖、羽生善治九段、佐藤康光九段、丸山忠久九段、森内俊之九段、渡辺明名人、広瀬章人八段、豊島将之九段、そして今回の藤井聡太竜王となる。

 藤井時代が長く続くか、それとも待ったをかける者が現れるか。要注目だ。

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