文春オンライン

2021/12/06

 その後、面接、体力テスト、適性検査、精神科を含むメディカルチェックをパスして、ようやくアカデミーへの入学を許可されました。……と、ここまでがアカデミーに入るまでのヒストリーです。もう大変過ぎて、白髪がすごく増えました。

ここからが本当のスタート

──これだけで映画かテレビドラマになりそうです。34歳でポリスになるまで、諦めずに挑戦し続けられた原動力はどこにあったのでしょうか。

YURI 先ほどお話しした消去法のリストで、私にはポリスしかなかったからです。長所と短所とあらゆる職業を書いて……というリストアップ法、皆さんもぜひやってみてください。自分を完全に分析したうえでの職業なので、それをやらなくては人生損する気がしました。そんな簡単に諦める事が出来なかったです。

 毎月何千人もの応募があるんですが、まず審査で9割が落とされます。そこから試験でふるい落とされ、アカデミーに入学できるのはわずか50~60人です。私の時は60人が合格したのですが、この60人に入れたことは私にとって、「諦めなければ、絶対に夢は叶う」という自信になりました。でもここからが本当のスタートだったんですけどね……。

卒業時には60人いた同級生が18人に

──アカデミーでは、休憩中に不意打ちでペイント弾が飛んできて、どこから発射されたかや、狙撃手の様子を瞬時に把握できない生徒はクビになったそうですね。どういう意図があるのですか?

YURI あれは緊急事態に対応できるかどうかのテストです。ここで焦ったり逃げたりする生徒はクビになります。実際の現場で対応できなければ、相棒に危害が出ますから。

「相手の痛みを知っておく必要がある」と、スタンガンを撃たれたこともあります。5秒間撃たれ続けるんですが、あれはきつかったですね。今でも傷跡が残っていますが、そこで痛がったり怖がったりした人もクビになりました。

 私はとにかく体力がなかったので、マラソンではいつもビリで、インストラクターから「おまえはポリスには不適格だ」「いますぐやめて帰れ」といつも怒鳴られていました。そうやってみんなの前で罵倒されたり、唾を吐きかけられるのも、メンタルを鍛えるテストなんです。

 入学から半年で卒業して正式にポリスになれるんですが、卒業時には60人いた同級生が18人になっていました。