冬山は愛子さまにとって、自然の中を自由に滑り回るスキーの思い出がいっぱい詰まっています。愛子さまは3歳からスキーを始め、コロナ前までは毎年3月にご一家で奥志賀高原スキー場に出掛けられていました。陛下と雅子さまにスキー指導をしているのは、長野オリンピック日本代表選手として活躍した、平澤岳さんです。
折に触れて、天皇ご一家の普通の家庭と変わりない姿を目にしてきました。
愛子さまが中学生の時、休憩中に子供らしいイタズラをされたこともありました。スキーの練習が終わって全員が整列していると、愛子さまがこっそり後ろに回り込んで、「エイッ!」と女性コーチの背中に雪を入れたのです。
コーチは雪の冷たさに驚いて「キャー」と声を出し、慌てて首筋の雪を払おうと動き回ります。その場面を見た雅子さまが、「ちょっと、愛子さま!」とたしなめていらっしゃいました。
コーチからは長年レッスンを受けており、お互いに気心が知れた間柄。茶目っ気たっぷりの行動で、愛子さまなりの親しみを示されたのでしょう。
「プールに行って来てもよろしいですか?」
スキーを滑った後のお茶会では、愛子さまの礼儀正しさが伝わってくるシーンもありました。お茶会に参加するのは天皇ご一家とスキーのコーチたちで、愛子さま以外は大人ばかり。少し畏まって大人たちの会話に合わせていましたが、30分ほど経った時、退屈だったのか「私、プールに行って来てもよろしいですか?」と、愛子さまが切り出されました。
そしてきちんとご両親から承諾を得ると、「ではプールに行ってまいります。皆様、お先に失礼します」と、丁寧に頭を下げて部屋を出られました。愛子さまの気遣いあるご様子に、その場にいる人たちは感心したといいます。
スキーを通してみてきた愛子さまの素顔を、平澤さんはこう話します。
「スキー場で一緒に滑っている時の愛子さまには、とても活発な面を感じます。上達のスピードも早く、急斜面も実に優雅にスイスイと滑り降りてこられます。スキーは生涯スポーツと言われて年を取ってもできるスポーツなので、両陛下は愛子さまにスキーをさせたかったのではないでしょうか」
陛下も雅子さまも、スキーの腕前はかなりのもの。そんなご両親の才能を受け継いだのか、愛子さまはスキーの基礎をしっかり身に付け、急斜面のコースでも物怖じせず滑り出していかれるそう。今では両陛下よりもスピードを出して滑られると言います。