たった500円で釣った魚が姿造りに!
釣り場スタッフさんから袋をもらい、釣った魚を生きたままフロントに持ち込むことで調理からルームサービスまで行ってくれる仕組みだ。持ち込み量によって値段は変わってくるが、アジやカワハギなどのサイズなら10匹まで料理してもらっても500円という破格のサービス。魚をさばくのは苦手だという方にも安心だ。
そこには、釣って食べるところまで楽しんでいただきたい、というホテル側の思いが込められているそうだ。袋から脱走したアジが暴れまくってスーツに鱗が飛んでしまっても、この上ないスマイルで対応してくださった。
また、持ち込みの最終受付は19時30分と遅い時間まで対応している。これは釣りにおけるチャンスタイムである夕マズメ(魚の活性が高くなる夕暮れ時)までしっかり釣りをしてもらうためらしい。確かにアジの時合中、しっかり釣りをしたうえでお土産まで確保する余裕があった。
淡路島観光ホテル、どこまでも釣り人目線のサービスが徹底されている!
料理はルームサービスも可能だが、初日は24時間釣りをしようと意気込んで素泊まりにしたため、館内の「御食事処いそべ亭」でいただくことにした。
ご飯ものが欲しかったので「ミニシラス丼」を注文し、釣ったお魚料理を待った。
すると、出てきた料理はなんと姿造り!
一品一品丁寧に盛り付けられていて、ここでも500円で受けられるサービスではないと疑ってしまった。
早速アジのお造りからいただいた。アジの身は見たことがないほど透き通っている。
コリっと身が引き締まっていて噛み応えがある。今さっきまで生きていた魚の新鮮さが食感から伝わる。そして、うっすら脂が乗っているので、噛めば噛むほど旨味がでてきて美味い。
魚は寝かせることで柔らかくなり旨味が増すものだが、極限まで鮮度の高い刺身もまた至極の味であった。
カワハギの塩焼きやフライも、ご飯やお酒が進んでしまう。
また派手な見た目からリリースされがちなベラだが、塩焼きにすると身がふわふわしていて美味しい。これは逃がしてはならないぞ。
私は基本、釣った魚は刺身で喰うと決めている通り一辺倒な思考だが、ベラだけは塩焼きをオススメする。本当に釣れて良かった……。
満腹になって部屋に戻り、プライベート釣り場を見下ろすと、常夜灯がポツンと真っ暗な海を照らしていた。
「こんな環境、一晩中アジやタチウオが釣れるに決まっている」と改めて思った。
初日だけでもすでにゴールに達した気分だが、明日はさらなる大物を求めてお昼から釣りをする。さらに懐石料理付きコースなので夜が楽しみで仕方がない!
身体を休めるべく温泉に入り、早々に就寝した。
写真=ぬこまた釣査団(大西)