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 検察官によると、被告人はスーツ姿で首からネックストラップをぶら下げていたそうです。被告人のスマホには「ティアラこうとう イベント予定」という検索履歴もあるようで、以前と似た様なイベント狙いの犯行にも思えてきます。

「どちら様ですか?」声をかけられた被告人は…

 法廷にはバレエ発表会の主催者である女性が証人としてやって来ていました。まずは検察官から。

検察官「楽屋前の通路で被告人を見たのは何時頃ですか?」

主催者「午後6時少し前です」

検察官「それまではどこにいましたか?」

主催者「舞台袖にいまして、休憩になったので地下1階の楽屋に戻ってお茶を飲んでいました」

検察官「被告人を見掛けて、何と声を掛けました?」

主催者「どちら様ですか?と」

検察官「被告人は何て言ってましたか?」

主催者「主催者から招待されました、と」

検察官「それで?」

主催者「主催者は私ですけど、どちら様ですか?と問い掛けましたら、区の方からの招待だと」

検察官「あなたはどうしたんですか?」

主催者「繰り返し名前を訊いたんですが『今日はいいだろう』と」

©iStock.com

 これは怪しいと判断して、他のスタッフと共に警察に通報したという流れの様です。主催者に向かって主催者に招待されたって答えてしまう被告人。もちろん招待はされてないんだけど、何故そんなウソをつく必要があったのか…。

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忍び込んだ先は「知り合いのダンスを見に来る人が集まる」発表会だった

 続いて弁護人からの質問です。

弁護人「この日観客は何人くらいいたんですか?」

主催者「1000人くらいです」

 コロナ禍前のイベントで、会場にはそれなりの人がいたようです。

弁護人「観客はどんな方々なんですか?」

主催者「発表会に出る生徒の親族とか、友達がほとんどです」

弁護人「休憩中に、楽屋の方にお子さんに会いに行く親御さんとかいないんですか?」

主催者「いません。楽屋に行くのは禁止です」

被告人が忍び込んだのは“身内”ばかりの発表会だった ©iStock.com

 どうやらバレエ教室の発表会みたいな催し物で、知り合いのダンスを見に来てる人が集まってる感じなんですね。何故そんなところに被告人が居合わせているのやら…。

 この日はこれで閉廷。