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「ノックの音がして、振り返ると男性が立っていました」

 続きは年が明けて2020年1月17日に行われました。この日はまず、地下1階の楽屋にいたバレエダンサーの男性の証人尋問からスタート。それによれば、楽屋で準備をしているとノックの音がして、振り返ると「被告人のような」男がやってきたとのことでした。ただ、「頑張ってください」とやり取りをしたくらいで、被害らしい被害もなかったようです。

 それを受けての被告人質問です。まずは弁護人から。

弁護人「何故この会場に行ったんですか?」

被告人「検索したらバレエの発表会があると分かったので」

弁護人「バレエが好きなんですか?」

被告人「昔クラシックが好きだったので伺いました」

弁護人「チケットは持ってたんですか?」

被告人「入場無料と書いてありましたので」

 被告人の趣味は相撲からクラシックまで幅広いですね。

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「階段を降りてしまったんですね?」

 その後のやり取りによれば、被告人はホールで受付を済ませて、2階で鑑賞していたようです。休憩中に人の流れに沿ってホールの外に出たようですが、そこで立ち入り禁止の場所へと行ってしまったのだとか。

 休憩中なんだから座席を離れるのは自由なんですが、何故立ち入り禁止の地下に行ってしまったのでしょうか?

弁護人「その後、階段を降りてしまったんですね?」

被告人「楽屋の通路で立ち入り禁止だなぁと分かりましたので出口を探してました。すぐに戻れば良かったんですけどゴチャゴチャと荷物が置いてましてね…」

弁護人「そこで主催者の女性に声を掛けられたんですね?」

被告人「気が動転してあまり覚えてないんですけど、身分証を出すように言われて焦ってしまって…」

弁護人「なんで焦ったんですか?」

被告人「前科があるので、それで立ち入り禁止なので」

 間違って入ってしまったのならそのように説明すればいいだけじゃないかと思うんだけど、主催者に招待されたとウソを言っちゃってるのが不自然なんですよね。

「なんでそんな物を持ってたんですか?」

弁護人「その時何を持ってましたか?」

被告人「バインダーとポーチと言うか小袋です」

弁護人「なんでそんな物を持ってたんですか?」

被告人「10年程前に捕まった時に持ってた物で、もう同じ事はやってはいけないという戒めの為に持ってたんです」

 多分、文房具のイベントの時に関係者っぽく見せる為の小道具なんだろうけど、それを持ち歩いているのも意味不明です。