「逮捕されたときに腕章持ってましたよね」
検察官「主催者に声を掛けられて、その場しのぎのウソを言う必要ありますか?」
被告人「前科があると何を言っても信用されないと言うか、一度失った信用は取り戻すのがホント大変なんです」
検察官「もし警察が来ると困ると思ったんですか?」
被告人「やっぱ前科を調べられる中で、間違って入ってしまったと言っても前回の裁判と同じ主張で、あれから4年経ってまして同じ事を言うってのはね……」
てっきり8年振りの裁判かと思ったら、4年前にも逮捕されて今回同様間違って入ってしまったと裁判で主張していたみたいです。道に間違いやすい人なんでしょうか。
検察官「逮捕された時に腕章持ってましたよね。何て書いてました?」
被告人「えっと…報道と医療関係のだったか…」
検察官「1つは『救護班』で、もう1つは『報道 PRESS』です」
これって病院の侵入、マリンスタジアムや両国国技館の侵入で使った物なのでは? 保釈された後に警察は返却してくれるって事なんですね。
検察官「ネックストラップやバッジは誰に対する見栄なんですか?」
被告人「誰って事はないです。ただカッコつけたかった、それだけ」
検察官「そもそも会場にどこから入ったんですか?」
被告人「地下1階です」
検察官「地下から入れました?」
被告人「入れましたねー」
と他のお客さんは普通に地上1階の正面入口から入ってるらしく、そもそも地下から入ってるのもおかしいとアピールして検察官の質問は終了です。
地下に迷い込んだ人は「10人くらいいた」?
最後は裁判官から。
裁判官「休憩になって人の流れに沿ってホールを出たと言ってましたよね。人の流れが地下の方にもあったんですか?」
被告人「ありました」
裁判官「何人くらいいました?」
被告人「10人くらいはいたんじゃないでしょうか」
って事は、うっかり地下に迷い込んだ観客は他にもいたんですよ。被告人の話が本当ならば。
裁判官「それであなただけそのまま迷い込んだと?」
被告人「はい」
裁判官「そしてウロウロしてたら主催者の女性に声を掛けられたと?」
被告人「そうですね」
裁判官としてはそこだけ確認して質問終了。
判決は…
そして約1ヶ月後に(傍聴は出来ず)論告求刑が行われ、2月26日に判決が言い渡されました。結果は懲役1年2月。被告人の無罪主張は認められず、実刑判決という判断となりました。
なんで被告人は何者かになろうとするのか? 根っこの部分はこれだけ傍聴しても全く分からないもんですね。これだけいろんな人になりすましてるけど、法に触れないで生活してる人になろうとは思わないものなんでしょうか。