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「ネックストラップにはなんて書いてたんですか?」「スタッフ、と」

弁護人「ネックストラップを首から下げていたみたいですけど、何て書いてたんですか?」

被告人「スタッフ、と」

弁護人「でもそれはYシャツのポケットに入っていて見えてはいなかった?」

被告人「そうです」

 じゃあセーフとはならないでしょ。なんでそんなのを首から下げてるのやら。弁護してもらってるはずがルパン危機一髪!

弁護人「あと東京オリンピックのバッジを付けていたのは何故ですか?」

被告人「コスプレって言っちゃおかしいですかね」

 自らコスプレと口にしてしまうほど追い込まれる被告人。

弁護人「バッジ付けてると何か違うんですか?」

被告人「何て言うんですか、無職なもんで見栄を張りたいと言うかカッコつけたがり屋で……」

 以前の裁判で見栄を張らないって約束してたのにねぇ。

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 とにかく、結果的に迷惑は掛けたけどうっかり入ってしまっただけで犯意が無いと主張して弁護人からの質問は終了です。

検察官「スマホの検索履歴を見ると…」

 続いて検察官からの質問です。

検察官「スマホの検索履歴を見ると、ティアラこうとう・イベント予定って直前に調べてますよね?」

被告人「かも知れません」

検察官「他にも浅草公会堂とか幕張メッセとか大きい会場のイベントを検索してますね?」

被告人「趣味ですから」

検察官「“バレエ”で検索すればいいんじゃないですか?」

被告人「いろんな趣味があるので」

 多趣味な被告人には無意味な質問かも知れませんね。

「自販機は2階にありますが…」攻められる被告人

検察官「ホールの2階席で観てて、休憩中は何か食べ物を探していたと?」

被告人「自販機か売店を探していました」

検察官「あのー、2階の客席に自販機ありますけど」

被告人「それ気付かなくて、取り調べの時に聞かされました」

検察官「じゃあ地下に降りてから自販機がどこにあるか案内板見ました?」

被告人「案内板気付かなくて素通りしてると思います」

検察官「え? 飲み物買いたかったのに見ていない!」

被告人「見てなかったですねー」

 前編で紹介したとおり、被告人は自動販売機設置の仕事をしていました。そんな被告人がまさか自販機の位置で攻められるとは何という因果か。

©iStock.com

検察官「で、取り調べでも言ってるけど楽屋には入ってないの?」

被告人「入ってません」

検察官「さっき証人は入って来たと言ってましたよ? なんで食い違うんでしょう?」

被告人「いや、私とは言ってません! 似てる人だと」

 似てる人とまでは言ってなかったけど、被告人とは断言してなかったですからね。もしかしたら被告人とは別の人物がうっかり地下に降りて来てしまったのかも知れないし。

「出口どこですかって訊けばよかったんじゃ?」「そこが私の反省点です」

検察官「すぐに上に戻ろうと思わなかったですか?」

被告人「迷ってしまいまして」

検察官「休憩中で周りに誰かいませんでした? 出口どこですかって訊けばよかったんじゃないですか?」

被告人「そこが私の反省点です」

 他にも反省すべき所はありそうですが、人を頼らなかったのが悪かったと悔やんでいるようです。