昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載文春図書館 ベストセラー解剖

和式トイレで立ち上がれない、家を建て替えたら「金欠うつ」に…人生100年時代を幸福に生き抜く“心構え”とは

『老いの福袋』(樋口恵子 著)――ベストセラー解剖

2021/12/15
『老いの福袋 あっぱれ! ころばぬ先の知恵88』(樋口恵子 著)中央公論新社

 世界1位の高齢化率を誇る日本で人生100年時代を幸福に生き抜くには、どのような心構えが必要なのか。そのヒントを綴った本書がヒット中。

「雑誌の老後特集の取材でうかがったときの体験談が切なくもおもしろく、“老いの知恵”として一冊にまとめたいと思いました」(担当編集者の府川仁和さん)

 卒寿間近の評論家である著者が、ある日突然、和式トイレで立ち上がれなくなったり、貯金を崩して家を建て替えたら、軽い「金欠うつ」や「片づけうつ」になってしまったりと、日々のあれこれが赤裸々に綴られている。

「体の衰えやお金の問題など避けがたい現実とともに、前向きなアドバイスをユーモアたっぷりに披露していただいたのが本書のポイント。『一つ一つに相槌を打った』『読んだというより、樋口さんと語り合った』などと読者からは共感の声が届いています」(府川さん)

「すべての道はローバヘ通ず」、「老年よ、大志とサイフをいだけ」など、メッセージは軽妙で痛快。女性の社会進出を体現し、介護保険制度の実現や高齢者の貧困問題に取り組んできた著者の、仕事の裏話も興味深い。

「89歳で現役、転んでも立ち上がってきた女性の奮闘記としてもユニークな本です。老いを“初めての大冒険”と称して恐れない著者の姿勢からは勇気と希望をもらえます」(府川さん)

2021年4月発売。初版1万5000部。現在9刷20万7300部(電子含む)

老いの福袋-あっぱれ! ころばぬ先の知恵88 (単行本)

樋口 恵子

中央公論新社

2021年4月19日 発売

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春をフォロー