1月2日『義母と娘のブルース 2022年謹賀新年スペシャル』

 突然現れた義母が“本当の母親になっていく物語”。ですが同時に、利害関係が一致していただけの偽装夫婦が、本人たちの想定外で“本当の夫婦になっていく物語”でもありました。

 2018年に連続ドラマとして放送された綾瀬はるかさん主演の『義母と娘のブルース』(TBS系)。2020年の正月に続編となるスペシャル版『義母と娘のブルース 2020年謹賀新年スペシャル』が放送され、2022年1月2日にはスペシャル版第2弾『義母と娘のブルース 2022年謹賀新年スペシャル』が放送されるヒット作です。

『義母と娘のブルース』2022年 謹賀新年スペシャル」公式HPより

 妻に先立たれていたシングルファーザー・良一(竹野内豊さん)は、自身が胃癌を患い余命が短いことを知ると、まだ小学3年生だった娘・みゆき(子役/横溝菜帆さん)を一人遺して逝くわけにはいかないと考え、母親になってくれる女性を探します。そんな良一が娘を任せられるのはこの人しかいないと選んだのが、切れ者ながら生真面目なキャリアウーマン・亜希子(綾瀬さん)でした。

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 綾瀬さん扮する主人公が、血のつながらない娘のために奮闘する様を描いた全10話の連続ドラマは、大きく分けて2章立て。

 第1話から第6話の途中まではみゆきが小学校3年生時代のエピソードを描き、良一の死を区切りとして第6話の途中で9年後にジャンプ。第6話の途中から最終話まではみゆき(上白石萌歌さん)が、高校3年生時代のエピソードが描かれます。

綾瀬はるか ©文藝春秋

普通の恋愛ドラマとも、普通の家族ドラマとも違う愛の形

 本作はタイトルのとおり、義母・亜希子と娘・みゆきの物語が主軸ですが、個人的には亜希子と良一が“夫婦になっていく”様子に胸が熱くなりました。

 良一は娘を守って育ててくれるのに適任なのは誰かと考え、亜希子に突然プロポーズ。この時点で2人はライバル会社に勤める顔見知り程度の関係。

 良一のお願いはどう考えても非常識だし、客観的に考えて亜希子側のメリットはほとんどない。けれど亜希子にはくだらない話を気軽にできる親しい人がいないことや、実は亜希子も幼い頃に両親を亡くしていたため、快諾したのです。

 ですからお互いに敬意を持って接しながらも、結婚当初の亜希子と良一には恋愛感情がないのはもちろん、家族愛の有無も重要ではなかったのでしょう。娘を幸せに育てていくという共通のプロジェクトを達成するための同志といった雰囲気でした。

 そんな二人に愛が芽生えていく。