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――しかし選挙では負けてますが……。

中松 選挙では負けたけど、そこは判断が難しいところでね。1992年の参院比例区では政党「発明政治」で全国から14万票、2012年の都知事選では13万票集めています。だから僕は泡沫候補じゃないんです。

――選挙をパフォーマンスの場に使っているように見える立候補者も増えている印象ですが、先生はどんな風にご覧になっているんですか?

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中松 マック赤坂とかが集まっている「泡沫候補の会」っていうのがあって、参加してくれって言われるんだけど「僕は泡沫候補じゃないよ」って断ってるんですよ。マックは港区の区議会議員に当選したけど、集めた票数が違うからね。同じ選挙に出てる時も、彼はすぐに僕のところに寄ってきて、おこぼれを拾おうとするんだよ(笑)。

1991年の都知事選では「筋斗雲」に乗って選挙活動を繰り広げた Ⓒ時事通信社

――結局、選挙には16回出られました。

中松 だから、藤村さんの遺志に応えて総理大臣になるため、都知事選から国政選挙まで出ましたけどね。いろんな選挙のテクノロジーのテストもしてきたんですよ。

 傑作だったのは、投票用紙に「ドクター・中松」と書きたくなる電波を出す装置を発明したこと。でも実験で犬にその電波を当ててみたら、うなだれてね(笑)。人間でテストしてみたら、なんかそんな気になるというかね。この装置をクルマに載せて走り回りましたよ。

「データはもうとったからねぇ」

――それでも当選は遠かった。

中松 いや、結果として13万票集めたってことは、僕の発明の結果は十分に含まれていると思います。

ドクター・中松氏 Ⓒ文藝春秋

――2014年の衆院選を最後に出馬はされていません。今後また出馬する予定はあるのですか?

中松 選挙用のテクノロジーのデータはもう取ったからねぇ。私にとって非常に難しいのはね、多数の票を取って当選しないということなんですよ。

――どういうことでしょう?

中松 当選してしまうと、次の選挙テクノロジーを試せないから(笑)。だけど、もうほぼ実験し尽くしたからね、選挙に出る必要はないんじゃないかな。

――藤村さんの……、いや、なんでもないです。先生が選挙に出て以来、政見放送でいろんなパフォーマンスをする候補者が増えましたが、それをどう見ていますか。

中松 いやー、まだまだだね。あんなことやっているから泡沫候補になるんだよ(笑)。