まもなくクリスマスと年始を迎えようとしていますが、おもちゃ売り場には例年と明らかに違う光景が広がっています。
今年10月に発売されたばかりの任天堂の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch(有機ELモデル)」、昨年に発売されて世界で1300万台以上は出荷されているはずのソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」と、本来はあるはずの大型商品がなかなか安定して店頭に並ばないのです。
ゲーム機は出荷するのに相応の時間がかかる商品なので、社会的現象になったファミリーコンピュータやニンテンドーDSライトなどに代表されるように、これまでも発売開始と同時に品不足になるケースがありました。しかし、時間が経っても、税込みで約4万円、5万円といった高額な商品がここまで店頭に出てこないというのはあり得ない事態。驚きというしかありません。
ゲーム機がないのは「転売のせい」?
その背景としてしばしば指摘されるのが、両ゲーム機の「悪質転売」です。
両ゲーム機は、家電量販店では希望小売価格で購入できるのですが、一部のゲーム買い取り店では希望小売価格よりも高く買い取られています。たとえばPS5。今年の新年明けや、春ごろに買い取り価格が下がったりしたものの、その都度反発。いまだに高値をキープしています。「運よく希望小売価格で購入して、その手の買い取り店に持ち込めば、楽をして数万円の利益が手に入る」とさえいえる状態です。この状況が大きく響いているのです。
加えて、「売り手」と「買い手」をつなぐネットアプリの存在がその下地となり、容易に参入できるがゆえに増加傾向にあるようです。あらゆる人気商材が悪質転売のターゲットになっています。
もちろん、「あるようです」と推測なのは、確たるデータがないからです。ただ、フリマアプリを見れば“盛況”なのは一目瞭然。容易に、高値で出品されるゲーム機を目にするわけですから、「悪質転売がまさしく諸悪の根源だ!」と思えるのももっともです。
しかし、本当にそれが「主な原因」でしょうか。