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「トイレの個室でおにぎりを食べる高校生だった」「国語の先生と言い合いを…」EXILE・小林直己が、子どもの教育に関心を持つ意外なワケ

EXILEの肉体派ダンサーが 元芸人のEテレ 名プロデューサーと白熱対談!

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2006年、Eテレが「攻めてる」と言われ出した

小林 それがどうして教育番組を作るように?

佐藤 番組では台本を書くつもりだったんですけど、漫才作家さんが書くからと言われて愕然として。結局、僕の仕事は差別的表現がないかチェックすることで、これは僕のやりたいこととは違うなと。そこで、これからの未来を担っていく子どもたちに何か届くようなことをして世の中を明るくしたいと思い始めました。

 そんなときに初めてEテレの子ども向け番組を見たら、アニメーション、歌、ドラマ、ドキュメンタリー、体操、装置など、あらゆる手法で子どもたちの未来を育むためのコンテンツを作っていた。「これは面白い」と思い、子ども番組の部署に異動希望を出し、最初に『ピタゴラスイッチ』を担当しました。入局して既に8年くらい経っていた2006年、ちょうどEテレが「攻めてる」と言われるようになった頃ですね。

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〈NHK〉2020応援ソング「パプリカ」を歌う子どもユニットFoorinと、病気や障害のある子たち10人が「Foorin楽団」を結成、得意なことを活かして演奏した

小林 ♪ピタゴラスイッチ~。

佐藤 そうです、そうです。

小林 Eテレ、めちゃ好きなんです。『ピタゴラスイッチ』は、かなりの数のネタを見ているはず。あの番組に育てられました。

誰でも踊れる振り付けにして、ダンスというものの敷居を下げたい

佐藤 ありがとうございます。その後、『シャキーン!』や『デザインあ』など、新しい番組の立ち上げに携わりました。

小林 佐藤さんといえば、社会現象にもなった〈NHK〉2020応援ソング「パプリカ」のプロジェクトも手がけられていますが、そもそもダンスはお好きだったんですか?

佐藤 いえ、むしろ僕は踊れないんです。東京オリンピックを機に、子どもたちのためにより良い未来を作るコンテンツを目指したのが「パプリカ」なのですが、みんなが一体になれるのは、やっぱり歌とダンスだということでスタートしました。そこで、なんで僕は踊らないのか考えた時に、上手くないから踊らなくなったなって。

 でも、ダンスって、上手い人だけのためのものではなくて、感情を身体表現で表すというのが根源にあると思うんです。嬉しいときに体を揺らすだけでも気持ちいいし、衝動を解放できるものですよね。だから、誰でも踊れる振り付けにして、ダンスというものの敷居を下げたいと思っていました。