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「トイレの個室でおにぎりを食べる高校生だった」「国語の先生と言い合いを…」EXILE・小林直己が、子どもの教育に関心を持つ意外なワケ

EXILEの肉体派ダンサーが 元芸人のEテレ 名プロデューサーと白熱対談!

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小林 ありがとうございます。

国語の先生とものすごい言い合いをしていた

佐藤 本には、EXILEや三代目 J SOUL BROTHERSでの活動のことだけが書かれているのではなく、半自伝的な内容になっていますよね。高校時代に不登校だったことも赤裸々に書かれていてびっくりしました。

小林 むしろクラスを締めてそうなイメージですよね(笑)。友達もいましたし、いじめられていたわけでもないんですけど、漠然と満たされなかったというか。面白くなかったといえばそうなのかな。国語の先生とものすごい言い合いをしたりしていましたね。「この物語の主人公が言っていることはこうです」と決めてしまうことに納得がいかなくて、「自分はそうは思わない」って引かなくて。

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佐藤 それ、僕もやりました(笑)。「なんで先生が正解だと言えるんですか」と。正解は一つじゃないし、作家も、自分が書いたものにいろんな反応が返ってくるほうが嬉しいと思いますけどね。

佐藤正和プロデューサー

小林 で、その喧嘩で授業が終わって(笑)。両親も「学校に行け」とは言わず、それこそ佐藤さんが番組作りで大切にされているような、“自分で考える時間”をくれたので、自分なりに時間を過ごしていました。将来は音楽に携わりたい、歌手になりたいと言っていたので、「だったら、渋谷に行って刺激にまみれてこい」と兄に言われて渋谷に行ったり。でも、昼はおにぎり一個をデパートのトイレの個室で食べているような高校生でした。

 佐藤さんは、そもそも教育番組を作りたくてNHKに入ったんですか?

佐藤 違うんです。直己さんがダンスに夢中になったように、僕はお笑いに夢中で。

小林 へぇー!

 

佐藤 大学時代はホリプロに所属してお笑い芸人をやっていました。当時は「お笑い冬の時代」と言われていて、ネタ見せ番組がほとんどなかったんです。フジテレビの『ボキャブラ天国』でネタ見せが盛り上がる前ですね。

 お笑いを食い扶持にするのは無理そうだ、でも何かお笑いに携わる仕事がしたいと思った時に、NHKで細々と放送している『日本の話芸』という、一流の演者による落語や漫才をしっかり見せてくれる番組があって。そういう番組を作りたいと思ったのが、NHKに入った動機です。

 今46歳で就職氷河期世代なんですが、ずっと不況も続いていたし、漠然と世の中を明るくしたいという思いがありました。最初は『バラエティー生活笑百科』や『爆笑オンエアバトル』などの番組を作っていましたね。