あの特徴的な動きは……「パプリカポーズ」の秘密
小林 とても共感します。今、自分はダンスを突き詰めてきた結果、ものすごくシンプルな衝動に立ち返ろうとしていて。EXILEや三代目 J SOUL BROTHERSの時とはまた違う、自分の中から出てきた感情のままに踊るダンスをYouTubeにアップしたりしているんです。
佐藤 それはいいですね。「パプリカ」は、米津玄師さんに曲を、辻本知彦さんと菅原小春さんに振り付けを考えていただき、オーディションで選ばれた5人の子どもユニット、Foorinが歌いました。やってみて思ったのは、歌とダンスの力って改めてすごいなと。地域も世代も人種も障害も超えて、みんなでつながれる。そんなツール、なかなかないなと思って。
小林 ツールという考え方、大賛成です。あのダンス、特にサビのポーズは素晴らしいなと思います。
佐藤 子ども番組では、ポージングというお決まりのポーズを決めるんです。たとえば、挨拶する時、「おっはー」とかありましたよね。顔周りのポージングって、表情も含めて伝わるので、振り付けをお願いする時、「サビで一番印象に残る、おじいちゃん、おばあちゃんでも、障害のある方でも誰でもできる顔周りのポージングをつけてください」と言ってできたのが、顔の前で両手を花のつぼみの形にする「パプリカポーズ」でした。
※後半では、小林直己さんが手がけた三代目 J SOUL BROTHERS「Rat-tat-tat」などの振り付け秘話をはじめ、佐藤正和プロデューサーが「Foorin」の次に手がける子どもユニット「ミドリーズ」や、Eテレで話題沸騰中の番組『Q~こどものための哲学』など、今の時代に必要とされている教育について語り合った。続きは発売中の『週刊文春WOMAN vol.12(2022 創刊3周年記念号)』にて掲載。
小林直己
千葉県出身。EXILE / 三代目 J SOUL BROTHERSのメンバー。俳優としても活動し、2019年、Netflixオリジナル映画『アースクエイクバード』、『海風』に出演。20年にYouTubeチャンネル「Naoki’s Dream Village」を開設。
佐藤正和
1975年東京都生まれ。NHK制作局〈第1制作ユニット〉教育・次世代チーフ・プロデューサー。96年NHK入局。「デザインあ」は、グッドデザイン賞大賞、アメリカ放送界の最高権威ピーボディ賞など国内外の賞を受賞している。
text:Yukiko Umetsu
photographs:Takuya Sugiyama
【週刊文春WOMAN 目次】香取慎吾、谷川俊太郎 紙の雑誌だからできること/中野信子 初小説/桜庭一樹「少女を埋める」と韓国文学/温又柔、李琴峰 SNSのヘイトと戦う/望海風斗
2022 創刊3周年記念号
2021年12月21日 発売
定価550円(税込)