あと、通っていたスポーツジムが朝早くから夜遅くまでやっている珍しいスポーツジムだったっていうこともあって、テレビで取材をされるようなジムだったんです。若い人が多い中で60歳近いソフトマッチョがいるもんですから、目立つわけですよね。それで、「どうしてそんなにマッチョなんですか?」ってほめられるような形でインタビュー受けたんですよ。肉体的にはかっこよかったと思うんだよね、自分でも。
――たしかに、番組で上半身を披露されるお姿は凛々しかったです。
前島 そういう体験もあったから、ちょっと自分に自信を持つことができてシニアモデルに応募してみようって思ったんです。そしたら一応合格したんですよ。でも、シニアモデルといってもオーディションを受けないといけませんから、いろいろ受けて。生活は安定していたから、趣味として、お小遣い稼ぎとしてシニアモデルの活動を楽しんできたんですよね。目立つことも嫌いじゃなかったし。
鮮烈すぎるテレビデビュー
――ということは、『笑ってはいけない』シリーズ以前に、我々は前島さんを目撃している可能性が高い?
前島 そうだと思いますね。最初に注目されたのは、くりぃむしちゅーさんが MC をしていた『シルシルミシル』という番組。メジャーデビューはそれなんだよね。
――メジャーデビュー!
前島 おじさんがスポーツをするというコーナーがあって、登場する人がおじさんだからうまくいかないわけですよ。そしたらみんなが笑うわけ。たとえば、バスケットボールでジャンプしてブロックするんですが空振りだったり、走り高跳びをやったり、ヘディングシュートをやったりするんだけど、私は手を振りながら一生懸命走るものですから、走り方が女性っぽいって番組の中で話題になって、「女子」 と命名されたんですよね(笑)。
『笑ってはいけない』出演の経緯は
――そのときからすでに二つ名があるって、やっぱりただものじゃないですよ。他にはどんなものに?
前島 あとは、武田アリナミンの CM とかホットペッパーの CM にも出演しましたね。ホットペッパーは大阪まで行って、ギャラが13万円ももらえて驚いたなぁ。ところが、所属していたひとつの事務所が潰れてしまって。探していたら、現在の事務所(スウィープアップユアーズ)の代表とつながって、お世話になることにしたんですよね。それが2000年代前半だったかな。少なくても2004年の『絶対笑ってはいけない温泉宿1泊2日の旅in湯河原』のときは、いまの事務所だったはず。