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女子トイレ盗撮、100万円窃盗、喫煙…大阪偕星学園高校野球部の不祥事が止まらない「学校の隠蔽体質が事態を悪化させている」

女子トイレ盗撮、100万円窃盗、喫煙…大阪偕星学園高校野球部の不祥事が止まらない「学校の隠蔽体質が事態を悪化させている」

2021/12/23
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 最初の逮捕から4カ月が経とうというのに、水落の裁判が始まる様子はない。新事実の発覚によって、公判前整理手続きに時間を要しているのかもしれない。

 2021年1月の水落事件発覚以降も、同校野球部の周辺ではスキャンダルが絶えない。

1月 野球部保護者からの連絡によって、コーチだった水落のセクハラ行為が発覚。水落は福岡に帰郷し、山本晳監督らが責任を取る形で3月に辞任。
3月 野球部の新監督に就任した長谷部元伸氏のパワハラが問題化。日本高等学校野球連盟(高野連)への報告が遅れたことで、野球部部長が1カ月の謹慎処分を受ける。長谷部氏は水落事件の調査にあたった第三者委員会のメンバーでもあった。
7月 長谷部監督の財布から、現金数十万が盗まれる盗難事件が発覚。高野連から「厳重注意」を受ける。
8月 水落が強制わいせつ容疑で逮捕。
9月 水落が強制性交致傷容疑で再逮捕。
10月 野球部の1年生部員に対する同級生の集団イジメが発覚。
11月 学校の宿泊授業において、野球部の1年生部員4人による喫煙が発覚。
11月 野球部の2年生部員が5月頃にSNSでライブ配信していた喫煙の動画が学校に匿名で送られてきて発覚。次に、現役部員の告発によって1年生の喫煙が発覚。その後、ふたりの2年生部員が喫煙する動画も、やはり匿名で学校に送られてきて喫煙が発覚した。

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「誰がタバコを吸うてるかなんて聞いていない」

 大阪偕星学園の野球部では、水落の逮捕を前後して窃盗やイジメ、喫煙が相次いで発覚し、“無法地帯”になっているという。野球部の内情に詳しい関係者が話す。

野球部のグラウンド傍にあるマッサージ室

「3月に就任した長谷部監督のパワハラ問題も、荒れ放題の野球部に起因している。春季大会の前に、メンバーから外れた選手が『どうしてタバコを吸っていたヤツや、冬の間練習を休んでいたヤツがメンバーに入って、真面目に頑張ってるヤツがベンチから外れるんですか』という不満を監督に伝え、その後、実家に帰ってしまった。その態度が気に食わなかった監督は全員を集めて、『あいつは二度と、グラウンドに上げない』と告げたんです。さらにその後、他の中心メンバーが長谷部監督に練習復帰を懇願すると、『いっさい受け付けない』と答え、喫煙している部員がメンバーに入っているのはなぜかと問われると、『そのこと自体、俺は知らんねん。誰がタバコを吸うてるかなんて聞いていない』と答えた」

 しかし、長谷部監督は部員の喫煙を知っていたはず——と関係者は続ける。