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女子トイレ盗撮、100万円窃盗、喫煙…大阪偕星学園高校野球部の不祥事が止まらない「学校の隠蔽体質が事態を悪化させている」

女子トイレ盗撮、100万円窃盗、喫煙…大阪偕星学園高校野球部の不祥事が止まらない「学校の隠蔽体質が事態を悪化させている」

2021/12/23
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昨年秋には女子トイレの盗撮騒動も

 水落のセクハラ行為の舞台となったひとつが寮だったが、その寮の風紀が水落事件以降、いっそう乱れているというのだ。

 11月に入って大阪偕星学園高校は、22年1月からPL学園出身で、元阪神の岩田徹氏が新監督になることを発表した。しかし、野球部では相変わらず不祥事が相次ぎ、とりわけ喫煙の発覚が後を絶たない。

 再び、野球部の内情に詳しい関係者の証言だ。

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「サッカー部員と共にタバコを吸っていた1年生4人の喫煙が発覚したあと、ある2年生も半年前の喫煙動画が学校に送られてきて停学処分になりました。学校からしたら、膿を全て出し切りたいという考えかも知れませんが、半年前の喫煙を問題にするとなると、それ以前に野球部で起きた問題も再燃してしまう。中でも最も悪質なのは、昨年秋頃に起きた“盗撮騒動”。しかしこれについては、関係した生徒も処分されていません」

 問題の“盗撮騒動”が起きたのは、2020年の10月25日。野球部は、富田林市のグラウンドで練習試合を行っていた。試合中、対戦校の女性保護者が女子用トイレに入ったところを、隣の個室にいた大阪偕星学園の球児(当時1年生)が盗撮。女性保護者がそれに気づいて大問題となったのだ。

野球部の集合写真におさまる水落

「本人は『他の部員がトイレに入ってきたと思って、イタズラしようと思いました』と苦しい弁解をしたようです。たしかにグラウンドの女子トイレは普段あまり使用していないので、野球部員が使用することはあるんです。ただ、その日は他校の保護者も応援に来る練習試合の日ですからね……。山本前監督が被害に遭った保護者に謝罪すると、『学校内で問題を解決してください』と提案された。ところが、その生徒は処分されることなく野球部に所属し、高野連へも報告していないはずです」

 これは野球部が長谷部体制となる以前の不祥事だが、野球部と大阪偕星学園の隠蔽体質を象徴するような事件だろう。

 未成年である高校生がタバコを吸うことも、窃盗を重ねることも、当然第一の責任は本人にある。だが、水落事件の発覚以降、野球部の体制を一新しても不祥事が止まらないのは、学校の管理体制そのものに問題があると考えられる。

 保護者のひとりはこう嘆息する。

「水落事件の時は学校経営陣の減給処分こそありましたが、現場の監督やコーチが辞めただけ。監督が生徒にパワハラしてもほとんどお咎めなし。罰を受けるのは子どもたちだけです。もちろん、喫煙や窃盗は許されるべきことではありません。でも、子どもたちが『大人たちは誰も責任を取らず、大人たちも罰を受けないといけないんじゃないのか』と不満を溜めている状態では、状況が改善するとは思えません」