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 学校側に数々の不祥事について事実確認を求めると、水落が聞き取り調査の中で打ち明けたという生徒の喫煙については「報告を受けていません」という回答だった。

 長谷部監督のパワハラ疑惑については、パワハラと疑われる言動があったこと、その報告遅れで高野連から部長が1カ月の謹慎処分を受けた事実を認めた。

 長谷部監督の財布から生徒が現金を抜き取った問題については「本件に関しては、大阪府高等学校野球連盟や大阪府教育庁私学課への調査報告も、既に終えております。守秘義務および個人のプライバシーの観点から、報告の詳細内容に関しては、回答を差し控えさせていただきます」との回答だった。

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 練習試合中の盗撮騒動については、当時の監督や部長からは報告を受けていなかったという。今回の取材をきっかけに調査し、騒動の事実を認めたうえで「当該生徒ならびに保護者と、被害者となった女性保護者様とは話し合いを重ね、和解に至っております。また当該生徒に対しては指導を行なっております」とし、今後、高野連に報告するかどうかについては回答がなかった。

3年生の卒業試合でマウンドに上がった水落

 11月に連続して起きた1年生部員、2年生部員の喫煙問題については「守秘義務および個人のプライバシーに関わる内容となりますので、回答は差し控えさせていただきます。 部員の問題行動が発覚した場合は、本校の指導規定に基づいた適正な処分を行うとともに、大阪府高等学校野球連盟に対しましても、然るべき報告を行っております」という。

「学校の隠蔽体質が事態を悪化させている」

 数々の不祥事について学校に質問状を送り、期限に1日遅れる形で回答があった12月18日、学校のホームページでは「一連の不祥事事案の再発防止方針に関して」という文書も公開された。

 前出の関係者はこうも話していた。

「水落のセクハラ事件が発覚し、水落が学校に報告した大人数の喫煙をあの時にきちんと調査して、停学等の処分を下していたら、その後の不祥事も防げたかもしれない。結局、学校の隠蔽体質が事態を悪化させている」

 大阪偕星学園高校の野球部は、喫煙発覚が相次いだ11月から1カ月ほど練習を中止にしていた。12月8日から練習は再開し、新年からは岩田監督体制が船出となるが、新たな航海の前から暗礁に乗り上げている。