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《今日カメラ映像開示》「私をここから連れていって…」ウィシュマさんの“最後の3カ月”を目撃した人が語る入管の壮絶な実態

《今日カメラ映像開示》「私をここから連れていって…」ウィシュマさんの“最後の3カ月”を目撃した人が語る入管の壮絶な実態

 今年3月、名古屋出入国在留管理局でスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が亡くなった。出入国在留管理庁による最終報告書や、収容所内カメラ映像の遺族への開示によって明らかになった入管職員による非人道的な行為の数々は、国会をも揺るがす大問題へと発展。12月15日には、カメラ映像を国会で開示することに与野党が合意した。

ウィシュマさんの遺影を掲げて会見する遺族 ©時事通信社

 ウィシュマさんが入管に収容されるきっかけになったのが、同じスリランカ人の同居男性からのDV被害を警察に届け出たこと。スリランカに戻れば夫に追いかけてこられる危険があったため、日本での仮放免(日本滞在が適法化するわけではないが、一時的に収容を停止し身柄の拘束を解くこと)を目指していた。その際に、ウィシュマさんの身元引受人となる予定だったのが、今年10月に『ウィシュマさんを知っていますか? 名古屋入管収容場から届いた手紙』(風媒社)を上梓した眞野明美さん(68)だ。

眞野明美さん Ⓒ文藝春秋

第一印象は「あまりにも痩せていて」

 眞野さんはシンガーソングライターとして名古屋を中心に活動していたが、2018年にシェアハウスを作り難民認定裁判中のウガンダ人男性を受け入れたことで入管問題に関心を持ち始めた。

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 その眞野さんとウィシュマさんは合計8回にわたる面会と手紙のやり取りで絆を深めていた。初対面のときには笑って冗談も交えていたウィシュマさんは、なぜそこからわずか3カ月で命を落とさねばならなかったのか。眞野さんが目撃した、言葉を失うような入管の実態とは……。

2020年末にウィシュマさんから届いたグリーティングカード Ⓒ文藝春秋

 眞野さんがウィシュマさんと出会ったのは、2020年12月18日。自分自身が身元引受人になるのも入管で収容されている人に面会するのも初めてだった。ウィシュマさんの第一印象は「少女のようだった」と言う。

「あまりに痩せていて、とても33歳の女性とは思えませんでした。その時点で収容されてから4カ月が経過していましたから、身体はとっくに限界だったんだと思います。その姿を見ただけで、『こんなところにいさせてはいけない』とすぐに思いました」