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同じ空間に「推し」がいる幸福感…「防弾少年団(BTS)」と2年ぶりの再会へ、ロサンゼルス公演に行ってきた

2021/12/25
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ソロ曲がなく、7人がほぼ出ずっぱり

 オープニング、どこかに囚われたBTSの映像が流れる。やがてメインステージに監獄のセットがあらわれ、その中にメンバーの姿が見える。ARMYはマスクをつけたまま、大歓声で7人を迎える。まもなく彼らは檻から飛び出し、「ON」のパフォーマンスが始まった。同じ空間に推したちがいるのに、ずっと生で聴きたかった曲なのに現実感がない。ふわふわしながらアミボム(ライトスティック)を振った。

「PERMISSION TO DANCE ON STAGE」のセットリストにはソロ曲がなく、7人がほぼ出ずっぱりで歌い踊る。事あるごとに「公演したい」と言っていた彼らだ。どのパフォーマンスにも気迫を感じたが、やや緊張しているようにも見えた。

 

「あなたたちは僕たちのすべての証明です」

 一番胸がいっぱいになったのは、アンコールの「We are Bulletproof : the Eternal 」。防弾(=BTS)の歩んできた道のりと、君(=ARMY)との出会いを歌った曲だ。かつては7人だけだったけれど、今の僕たちには君がいる、と歌う。

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 頭に花とリボンをつけて愛らしかったJIN、少し涙ぐんだのか瞳がキラキラしていたJ-HOPE、やはりちょっと目を潤ませて上を向いていたSUGA、伏し目がちに歌う姿がセクシーだったV、声をふりしぼって「僕たちは何も怖くない」と歌ったJIMIN、インイヤーを片方はずしてARMYの声を聴き微笑んだJUNG KOOK、曲のあとのコメントで「あなたたちは僕たちの存在、僕たちの価値、僕たちの信念、僕たちの愛、僕たちの平和、僕たちのすべての証明(proof)です」と語ったRM。いつまでも憶えていたい。

 

 コンサートの前、自分はきっとたくさん泣くだろうと思っていた。実際に行ってみたら、ただただ幸せだった。最後の曲が明るくて一緒に踊れる「Permission To Dance」だったからかもしれない。幕が下りるとき、JIMINとJUNG KOOKがハグしていたが、わたしと友人も自然とハグしていた。宿に帰ったあと、お茶漬けを食べながらVのライブ配信を見た。最高の1日だった。