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再会の約束ができないもどかしさ

 28日は肩の力がぬけたのか、アドリブを入れる余裕も出てきたようだ。RMは「Boy With Luv」のソロパートのリリックを大幅に変えていた。「Save Me」のJIMINの振り付けを他のメンバーが次々と真似するなど笑える場面もあった。

 この日なんといってもカッコよかったのは、自ら水をかぶって髪を濡らし観客を煽るSUGA。SUGAのパートがくるたびにARMYの絶叫が聞こえた。友人と生SUGAがいかにヤバいかを熱く語り合いながら宿に向かっていたら、途中でSUGAのライブ配信が始まって焦った。

SUGAは「Agust D」名義でソロ活動もしている(HYBE LABELS公式YouTubeより) 

 2日間の休演日をはさんで、12月1日。4日間の中で最もセンターステージに近い席だったので、偏愛する「Black Swan」のパフォーマンスを目に焼き付けた。バックダンサーが形作る大きな白鳥の翼、舞い落ちる黒い羽、踊るメンバーの影まで美しい。床に手をついて腰を下ろす動作をしていたJIMINが、そのまま側転しながら立ち上がるくだりは息をのんだ。続くソロダンスパートも、羽ばたく黒鳥そのもの。アンコールではVがドラマ「イカゲーム」のコスプレをして会場を沸かせていた。帰宿後のライブ配信はJ-HOPE。ハンガーに干した靴下まで見せてくれるサービス精神に笑ってしまう。

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 12月2日。JINの誕生日(12月4日)を祝うため、月の形に光るようにくりぬいたアミボムカバーをつけている人たちがいた。ステージ上からそのライトを見つけたJINも喜んでいた。JINは泣くのをこらえていたが、RMは最後のコメントのときに涙を流した。Vも泣いていた。再会の約束をしたくても、状況がどう変化するのかわからない。他のメンバーのコメントにも複雑な感情がにじんでいた。終演後のライブ配信は、RMとJUNG KOOKが来てくれた。

バースデーケーキの帽子をかぶっているのがJIN ©AFLO

なぜオフラインのほうがいいのか

 初めてのアメリカだったが観光は一切せず、公演のない日は宿で仕事をしながらオンラインとオフラインの違いを考えていた。推しの顔を見たいなら、オンラインのほうが断然大きくきれいに見える。肉眼はプロのカメラのように、決定的な瞬間をちゃんと切り取ってくれない。茶の間にいようが現場にいようが、アイドルは遠い存在である。それでも、なぜオフラインのほうがいいのか。