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マスクや手洗いは感染予防に有効

 ウィルスは細胞に寄生しないと生き残れないので、細胞が先でウィルスはあとから誕生したのは間違いありません。地球上にウィルスの数はめちゃくちゃ多くて、例えば海に行ってコップ1杯の水を汲んだら10の9乗、ですから10億個ものウイルスが含まれているとされているくらいです。

内田 そうなんですか……文字通りわれわれはウィルスにまみれて生きているんですね。

仲野 ウィルスの種類も膨大で、国際ウイルス分類委員会の分類では3万種くらいですが、本当にどれくらいあるかはわかっていません。信じられないくらいの種類と数のウイルスに囲まれてわれわれは生きているということです。そういえば、先生は昔からよく風邪をひかれますよね。

写真はイメージです ©iStock.com 

内田 そうなんです。「風邪ひき名人」で、年間40日は風邪をひいてました(笑)。9日に1日は風邪で寝てたんです。ところが、コロナになってから、この2年間、一度も風邪をひいてないんですよね。子供の頃から「外から帰ったら手を洗って、うがいをしましょう」って言われていましたけれど、僕はぜんぜん言いつけを守らなかったんです。そんなもので病気が防げるものかと思っていたんです。でも、今回、身に浸みてわかりました。マスクや手洗いは感染予防にめちゃ有効ですね!

日本社会にマスク着用の習慣は残るのでは

仲野 昨年、インフルエンザはほとんどゼロでしたからね。逆に言うと、毎年インフルエンザが流行るたびに「手洗いマスクをしましょう」って言われていたのに、いかにみんなしてなかったか(笑)。

内田 以前は本当にしてなかったですよね。いまや人前に出る時はマスクをつけるのが当たり前になって、アイデンティティの一部にまでなっている。なんだか外すと裸になったような気になるらしい。まあ、マスクって便利って言えば、便利なんですよね。会議のときにあくびしてもわからないですし、不機嫌な顔をしていても、わからない(笑)。女の人は化粧しなくて済むのが楽だとよく言ってます。コロナが終息しても、マスク着用の習慣は日本社会に残るんじゃないですかね。

仲野 そうかもしれませんね。

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コロナ後の世界

内田樹

文藝春秋

2021年10月20日 発売

 

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