文春オンライン
「殿下の瞳の奥がきらりと光った」“ヌード界の宮崎美子”が明かす「意外過ぎるお客さんたち」 ヤクザに坊主、ロイヤルファミリー…《キャバレーの文化史》

「殿下の瞳の奥がきらりと光った」“ヌード界の宮崎美子”が明かす「意外過ぎるお客さんたち」 ヤクザに坊主、ロイヤルファミリー…《キャバレーの文化史》

『エロチカ・バンブーのチョットだけよ』#2

2022/01/03
note

 1年中毎日ショーを入れている景気の良いホテルのラウンジがありました。本物さながらのジャングル風呂が有名で、“はだか天国”のコマーシャルでお馴染みの琵琶湖のホテル紅葉です。紅葉パラダイスという遊園地も敷地内にあって、70年代はレジャーランドとしてもポピュラーだった人気のホテルです。

支配人から「なんと殿下がショーを見に来る」

 大きな演芸ホールでは松竹ダンシングチームなど、子供からお年寄りまで楽しめる大人数のレビューショーが入っていました。ヌードショーのあるラウンジはホテルの最上階にあって、琵琶湖が見渡せるミッドセンチュリーな雰囲気のクラブでした。お客さんはホテルの宿泊客から近所の人まで。ヌードダンサーは15日交代でいろいろな踊り子さんが順番に入ります。私も年に3、4回はここで踊っていました。エレクトーン奏者、台湾の芸能チーム、そしてピンクヌードショーなどが入っていました。

野口千佳さん

 近くには高松宮杯が開かれる大津びわこ競輪場があり、殿下は毎年このホテルを定宿にされていました。ちょうどその滞在された日に、私がショーで入っていました。

ADVERTISEMENT

「ワシもショーが見たい!」と言われたとか言われなかったとか。なんと殿下がショーを見に来ると言うのです。支配人が楽屋にやって来ました。

「今日は全部脱がなくて良いから。4曲のところ2曲でやってくれへん? 穏便に!」

「誰の前でも平等にショーをする」それが私の信念でしたが、それじゃあヌードショーにもならないじゃん。そう思いながら承諾しました。いやいや、やっぱり脱いじゃおうかな。えへへ。

関連記事