文春オンライン

「歌舞伎町で援デリ業者と出会って…」トー横キッズが語る“帰りたくても帰れない理由”

2022/01/04
note

ホテル代はパパ活や「援デリ」で捻出

 危険ドラッグが規制されて以降、若年層での市販薬のODが問題になってきている。ここ数年、10代が動画配信をしながらの自殺が相次いだが、その時も市販薬のODをしているケースもある。

 そもそも、トー横の子たちはどうやってホテル代を捻出するのか。

「もちろん、バイト代やお小遣いで払っている子もいます。でも、パパ活をしている子も多い。相手はTwitterで見つけているようですが、男の子たちが見つけたりして、(パパ活の)バックで(お金を)もらっていたりしますね」

ADVERTISEMENT

 男性が女性になりすましてパパ活の相手を探し、実際に会って行為に及ぶのは女性だ。「援デリ」と呼ばれることもある。業者が行う場合もあるが、個人で行っている場合もあるという。ただし、なかなか発覚はしないようだ。

 それでも、事件は起きる。2021年10月、16歳の女子高生と性交し、盗撮したとして、警視庁少年育成課は、住所不定の男(21)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノ盗撮製造)の疑いで逮捕した。こうした事件の影響もあり、警視庁は12月4日夜から5日未明にかけて、一斉補導をした。警視庁は「トー横関係聴取カルテ」を作ったり、トー横に来ている若者たちのSNSのリストを作り、チェックしている。

「広場」に集まる若者たちと警察官

 女子高生だったミカが「トー横」に来たのは今年の夏。自分は「陰キャラ」だとして、「トー横」にいても、「広場」にいても、1人で佇んでいる。ミカのSNSも警察が見ている。もともとは「トー横」とされた路地にいたが、警察や青少年センターが目をつけたために、今では、「トー横」にはほとんど若者がいなくなった。そのため、ミカも「広場」に座っている。

 事件が起きて、逮捕者が出たとしても、「広場」にはSNSでつながった人たちがやってくる。