アニマル梯団・おさるに天国と地獄の両方を味わわせた『ボキャブラ天国』。しかしその後、おさるは芸能界で新たな鉱脈を発見する。持って生まれた運動神経を生かした『筋肉番付』で、おさるは一躍時の人に。
望んだお笑いの仕事とは真逆のアスリート仕事が増えていく中、「どっちにも中途半端だった」というおさるを変えた、ある格闘家の叱責。「おさる」から「モンキッキー」へ、改名に導いた故・細木数子との本当の関係。
おさるは言う。「仕事って、愛なんです」。(#1〜#3の#2/#1から読む)
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「筋肉バブル」にいまいちノレなかった過去
――『ボキャブラ』という祭りの後に、ご自身が別のインタビューで「バブル」と呼んでいた『筋肉番付』が始まります。
おさる ええ。ケイン・コスギ君への当て馬みたいな感じで、一時期主役みたいにもっていってもらってましたから。
――人生で祭りが2回以上訪れるってすごい。
おさる でも全然計算はないんですよ。ジムも行ってないし、何にもしてなかった。最初に出た時、ケイン君が1位で、僕が2位、(元TOKIOの)山口君が3位で、スターに挟まれて「なんだこのおさるっていうやつは」ってなったんです。
「上位にいったらワンショット抜かれて目立つよ」って言われて、お仕事としてお笑いにプラスになりそうだったからやっただけでした。体力に自信あるからちょっとやってやろうとか、そんなんじゃなくて。気持ち的にはまた宇宙に放り出された感じでした。
――お笑い芸人として出場したんですね。
おさる そう。目立てば、またスポットライト浴びるな、ぐらい。でもそこはやっぱり筋肉の番組だから、筋肉をちゃんとつけて鍛えてっていう、アスリートの気持ちで行かないといけなかった。そこでも僕は中途半端でした。
――体を鍛えて挑むことに芸人として抵抗がありましたか。
おさる なんですかね。そういうのはどこか自分のスタイルじゃないな、みたいなことを思ってたかもしれません。ジム行ってません、鍛えていませんというスタイルだったから。自然な姿を見てほしかったけど、でもプロ根性としてはちょっと足りないんですよ、そこはね。
――鍛え上げてしまったらジャンルがそっちに決まってしまいそうな怖さもあるのでは。
おさる でも今考えると、じゃあお笑いだから、お笑い以外は力入れませんとやってても、じゃあお笑いはどうなんだって言われたらね……。お笑いって「呼ばれてなんぼ」のところがあるから。「僕お笑いなんです」って言ってテレビに出てる人はあまりいないと思うんですよ。やっぱり呼ばれてなんぼが強い。
だからお笑い以外のところでどういう風に武器をつけていくかだと、今はすごく思ってます。研究して筋肉やパワーもつけて、『筋肉番付』さんとタッグを組んでなにかやればよかったなって思います。
若かったというのか、ちょっと調子に乗ってたんじゃないですかね。なんか……愛がないんですよ。