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高校2年生男子の「14人に1人」が望まないセックスを強いられた経験あり…“男性のレイプ被害者”が泣き寝入りを選んだ“意外な理由”

『RESPECT 男の子が知っておきたいセックスのすべて』より #2

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恥と罪悪感

 セックスとはこうあるべきという、お決まりのイメージが存在する。それは、世の中のセックスや性行動の多様性に比べると、実は非常に限られたイメージにすぎない。そういったイメージと自分自身とを比較したときに、「ほんとはちょっと違うことがやってみたいけど、こんなことしたら変態だって思われるかな?」なんて思ってしまう人も多いだろう。お決まりのイメージをもってしまうと、ぼくたちはちょっとしたことで自分がズレていると思ってしまう。普段から、セックスについて語りにくい雰囲気もあって、こんなふうに考えてるのは自分だけかも、と思いがちだ。

 自分がしている、もしくはしたいと思うセックスを恥ずかしく感じることがあるかもしれないけど、実はその恥じる気持ちは、自分ではなく、まわりの社会によってもたらされていることを理解するのが重要だ。セックスのあるべきイメージや他人による良し悪しの評価が、子どものころから知らず知らずのうちに刷り込まれてきたんだ。つまり、自分の性行動を恥じてしまうのは、他人がつくった規範のせいなんだ。でも、他人が決めた規範なんて気にせず、自分にとっての良し悪しは自分で決めるべきなんだ。法律で定められた年齢制限を守り、誰も傷つけず、関わる人が幸せである限り、きみのセックスは間違っていない。

 中には、セックスという行為は恥ずかしいことであると感じながら日々を過ごす人もいる。セックスを楽しめても、終わると羞恥心が込み上げてきて、すぐに忘れようとする。セックスをするとき以外は、考えちゃいけないことのようにね。でも、問題から逃げている限り、羞恥心は回し車のように何度もめぐってくるんだ。その羞恥心があるために、気持ちいいセックスができないこともある。だから、セックスのためにお酒で不安を紛らわしたり、性行為を乱暴なものに変えてしまったりもする。

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 もし、そんな感覚があるのなら、恥なんて捨ててしまって、好きなものは好きと言える自分を受け入れよう。きみがきみであるために、思い切って向き合ってみよう。そうすれば、羞恥心に悩まされることなく、セックスのあとにも気まずくならずに、ぞんぶんに楽しめるはず。もし、それでも問題があるように感じるのなら、セラピストに話すことでもっと楽になることもできる。