「性」に関する事柄は、「いかがわしいもの」「卑猥なもの」「恥ずかしいもの」として、人々の目の届かないところへ追いやられることが珍しくない。とりわけ未成年の男女にとっては、ある種の「タブー」として、おおっぴらに興味を持つこと自体避けられる風潮にある。
しかし、作家インティ・シャベス・ペレス氏は、性教育とはもっと楽しく気軽に触れられるべきものだと語る。そんな同氏が、主にティーンエイジャーの男性に向けてカジュアルかつ誠実に「性」の複雑さを紐解いた著書『RESPECT 男の子が知っておきたいセックスのすべて』(現代書館)の一部を抜粋。男性のレイプ被害の実態、そして、心身のバランスが性交にもたらす影響について紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)
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セックスと感情
ぼくたちはセックスで満たされることもあれば、不安になることもある。セックスや性のことで、モヤモヤしているのなら、落ち着いてその原因を探ってみてほしい。それから、他の方法でセックスをしてみるとか、自分の性行動を違った観点で考えてみるとか、気分が晴れる方向に進んでみよう。
セックスで落ち込んでしまう、よくある原因のひとつは、ベッドの中でうまくやらなきゃいけないと、自分にプレッシャーをかけることだ。人は自分がいかにセックスに慣れているか、そして相手を喜ばせられるかってことを誇示したくなるものだ。もちろん相手を大切に思うことは悪いことじゃない。セックスを楽しむためには、相手だけでなく、自分のことも気づかう必要がある。だけど、いざ本番! となると急に緊張するんじゃないか、他の誰かはもっと上手なんじゃないかと、自分のやり方と比べる必要はまったくないってことを覚えておいてほしい。
自分のやり方に不安を感じる理由はいくつかある。そのひとつに、こうあるべきという、固定のイメージにしばられてセックスしようとしていることがある。自分のやり方がそのイメージと違っていると、がっかりしてしまう。もしそんな状況に陥ってしまったら、よくあるセックスマニュアルのチェックリストなんて気にせずに、自分のセックスに集中した方がいい。それから、自分のセックスパートナーと話し合おう。相手が望んでもいないことを張り切ってやろうとしているだけかもしれないからね。
自分のやり方に不安を感じてしまうもうひとつの理由は、自尊心の低下だ。普段からなにをやっても自分にはうまくできないと思っていると、ベッドの上でも自信がもてなくなってしまう。もし、自分のパートナーを信頼しているなら、それについても思い切って話してみるのもいい。相手のほうは、きみが思っているほど気にしていないかもしれないし、それがわかることで気分がラクになるかもね。ただ、長い目で見ると、自尊心の問題に取り組むために、大人のサポートを受けたほうがいいかもしれない。