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「秋元康氏が女性を商品のように扱っている」BTSとのコラボに猛反対、発表3日後には白紙に…韓国エンタメはなぜ変化し続けるのか

『韓国エンタメはなぜ世界で成功したのか』より#2

2022/01/20

source : 文春新書

genre : エンタメ, 芸能, 音楽

「秋元康氏が女性を商品のように扱っている」

 そして、韓国での安倍首相像は、改憲を掲げ靖国神社に参拝するなど、日本の軍国主義の復活を目指す政治家というものだ。安倍首相と親密な関係にある秋元康氏とのコラボは、韓国のBTSファンにとって、到底受け入れられないものと映った。

「秋元康は右翼性向の濃い安倍政権の政策に主導的に参与している人物」「第二次世界大戦の戦犯国家の戦争美化は、韓国だけでなく世界的にも多くの非難を浴びている」「世の中に向けた防弾少年団(BTS)の真心が毀損(きそん)されることがないよう守ってくれることを祈ります」(韓国ARMY要求事項より)

 また、別の韓流ファンの団体は「秋元康氏が女性を商品のように扱っている」「(秋元氏が作詞した)歌詞は女性を卑しめ、セクハラ的」と非難した。

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 ツイッターなどのSNSを見ると、日本の「ARMY」も同じ意見で、そうした理由から日本では「日本ARMYは秋元康を本当に嫌っています」や「秋元康が嫌だ。AKBじゃん、そこに(間接的に)オカネが入るのは嫌だ」など秋元氏自身を非難する意見が多く書き込まれていた。

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韓国社会は女性差別的なものに敏感に

 韓国では秋元氏が過去に書いた歌詞における女性認識も問題になっていた。

 1985年の秋元氏の出世作、おニャン子クラブ「セーラー服を脱がさないで」では、「友達より早く/エッチをしたいけど」「おばんになっちゃう」という歌詞に対して、「パパとママに秘密で外泊するからその時に脱がせてって。歌っている本人たちは歌詞の意味を判って歌ったのだろうか」などの批判が書き込まれた。また近年のHKT48「アインシュタインよりディアナ・アグロン」(2016年)は、教科書に載っているアインシュタインよりも、アメリカのセレブ女優ディアナ・アグロンが好きだという歌詞内容で、「女の子はかわいくなきゃね、学生時代はおバカでいいという歌詞は女性を完全に見下している」などと書き込まれた。ディアナ・アグロンは、当時大人気だった米テレビドラマ『glee』の主要登場人物のひとりを演じて人気を得ていた。

 これまで触れたとおり近年、韓国社会は女性差別的なものに敏感になっている。

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