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常連客と長い付き合いを重ねて“店の顔”となる

 ワークマンの知名度がまだ低かった時代にも瀬川さんは、自分がやるべきことを実直にやり続けてきた。

「いまは一般の人や女の人も増えてきて、お客さんは職人さんと一般客が半々くらいになってきましたけど、このあたりはもともと工業地帯なので、最初は職人さんが多かったんです。オープン後1、2年くらいは工場などにも営業に回っていましたが、自分はどちらかというと外回りは苦手なんです。それで外回りを減らして、その分、店に来てくれるお客さんに対しては、がっちり対応していこうという考えでやってきました。そこから新しいお客さんを摑めたこともありましたね。店に来られるお客さんから、どこどこの会社が何を探しているという話を聞かせてもらって、それならありますよ、ということから取引きが始まったケースなどもあったんです」

 そのうち常連のお客さんは増えていき、付き合いも長くなっていった。

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「そうですね。オープンの頃から来てくれているお客さんは『いつもの』といった感じで買い物をされるし、縁は深くなっていますね。何年かぶりにやってきて、『まだ元気にやってるんだね』と声をかけてもらったこともありました。子どもの頃に親に連れられて来ていた人が立派になっていったり、会社の社長さんが息子さんにあとを継がせたりしているケースなんかもあります。そういう人たちが変わらず店に来てくれると“ずっとやってきてよかった、やっただけのことはあった”と思います」

 まさに我々が望む“店の顔”としてのあり方だ。

 そうして長く続けているうちにはやはり商品や客層にも変化は出てきた。

「一般のお客さんが増えたというだけでなく、若い職人さんたちが昔ながらのニッカ(ニッカボッカ)や地下足袋をはかなくなってきたんですから、変わりましたよね。年配の人には昔あった商品が欲しいと言われることもあるんですけど、ないものはなんともできないので、そういうところは時代だなと思います」