違法薬物に、向精神薬のオーバードーズ、違法カジノ、整形、入れ墨、クレプトマニアーー。10代から30代にかけて、ありとあらゆるものに依存し、ついには2年半の実刑判決を受けた湯浅静香さん(42)。彼女はいま、「依存症子」という名前で自らの過去を明らかにし、元受刑者や依存症に苦しむ人々、そしてその家族からの相談に乗っている。
文春オンラインでも、3本の記事でその半生を語っている。
「セックス中に何度も吸うと意識が飛んで…」17歳で違法薬物“RUSH”にハマったワケと幼少期の「虐待とネグレクト」《元女子受刑者の告白》
「吉原のソープランドも辞めた」薬物乱用、度重なる整形、入れ墨、過食…“依存症子”が30歳で堕ちた「ドン底」
「お前がろくな教育をしなかったせいだ!」虐待母への壮絶な暴力と「クレプトマニア」 それでも“依存症子”が更生へ向かえたワケ
そんな彼女が、1月15日に公開した「文春オンラインTV」に出演。記事では語られなかった当時の生々しい記憶について、改めて証言した。(全2回の1回目/後編を読む)
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受刑歴のある元ヤクザ牧師の言葉が響いた
――そもそも、なぜ今回ご自身の体験を告白されたのでしょうか。
依存症子 私が刑務所に居た時に、いろんな方の講話があったんですけれども、その講話に来てくださっている芸能人の方が、ビートきよしさんであったりとか、小松政夫さんであったりとかで。若い頃は苦労したとか、努力が必要だとか、そういう講話が立川拘置所で流れたんです。でも、私にはそれを聞いてもあまり刺さらなかったんですよ。
そんな時に、進藤龍也さんという、元やくざで受刑歴が3回ある牧師の講話が流れて、すごく心に響いたんですね。彼は自分と同じ受刑者だったから。やっぱり中に居た人の気持ちは中に居た人にしか分かりません。
――依存症子さんも進藤さんのように、元受刑者への支援を行ってらっしゃいます。
依存症子 社会に出るとどうしても、自分が受刑者だと知られずに生きていきたいと皆さん当たり前に思うと思うんです。でも、隠しているからこそ辛さを言えない、苦しんでいることを言えない。または、家族が受刑者なんだけれども、誰に相談したらいいか分からない。
こういう悩みがあった時、誰に何を聞けばいいかもわからない方がたくさんいます。それで、私も進藤さんのような存在になれないかと思ったんです。まずは自分の自己開示をして、こんな人間も居るんだということを皆さんに知っていただいて、必ずやり直せるということをお伝えしたくて、今回も取材を受けることにしました。