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「向精神薬をフリスクみたいに…。市販薬でも人生を狂わす」オーバードーズのために風俗で働いた“依存症子”の証言

依存症子に『文春オンラインTV』が直撃インタビュー! #2

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Twitterや身内の不幸…依存症再発のトリガーは溢れている

Y記者 今、伴走という話があったと思うんですけれども、症子さんも今も回復途上ですよね。別の依存症の方と一緒に治していきたい、治っていきたいというようなイメージですかね。

依存症子 依存症に完治はないので。何がトリガーになってまた出てくるかというのは分からなくて。例えば「粉」「注射器」といったワードは普通にTwitterのタイムライン上に流れてくるんです。「またやりたいな」という気持ちにはならないんですけど、この間久しぶりに、私のフォロワーさんが「昔のカジノの写真が出てきた」ってポンと上げていて、それを見た時に「行きたいな」って思っちゃったんです。

 あと、向精神薬もたくさん飲み始めたら止まらないと思います。仮にすごく悲しいこと、夫が亡くなるとか、例えば私が心の支えにしていた進藤さんが何か事故を遭うとか、何かショッキングなことがあったら分からないですよね。だから、常に普通の人よりも気を引き締めなくちゃいけないと、日々思っています。私を頼ってくださる方がいる以上、再犯するわけには絶対いかないですし、夫も失いたくない。二度と刑務所にも戻りたくないので、いまはその天秤が依存症のほうに傾かないんです。

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 このタガが外れちゃうのが依存症なんですよね。今の私はタガが外れないで生きていける自信がある。だけど、何かショックなことがあったら傾くかもしれないという危機感を常に持ってないと、「もう依存症は治った」とか、そういうことは言えないですね。

©️文藝春秋

「薬局で売っている薬でも人生を狂わせる」

――最後に、何かメッセージがあれば。

依存症子 今、手軽に向精神薬とか、パブロンでもブロンでもロキソニンでも何でもいいんですけど、そういう薬で遊んでいる若い子たちがいっぱいいると思うんです。でも、私はそういうものから刑務所に行った一人です。なので、安易に考えないでもらいたい。お医者さんが処方しているから大丈夫、薬局で売ってるから大丈夫では全然なくて。気を付けてと言っても昔の自分も気を付けられなかったので何とも言えないんですけど、それで人生狂った人間がここにいるよ、ということは皆さんにお伝えしたいですね。

 そして、依存症で困っている人は、自助グループとか精神保健センターとかそういうところに必ず繋がってほしい。決して孤独にならないでほしい。私みたいにどうしようもない人生を送っていても、こうして笑顔で毎日楽しく生きることはできるので、元受刑者だからとか、借金をギャンブルで背負っちゃったとかっていう人でも、必ずやり直せるから、そこは勇気を持って、ちゃんと前を向いてもらいたいなと思います。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

「向精神薬をフリスクみたいに…。市販薬でも人生を狂わす」オーバードーズのために風俗で働いた“依存症子”の証言

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