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市場規模は1兆円超えだが「健康上のメリット」があるエビデンスはなし…それでもサプリメントを摂取したほうが良い“4つのパターン”とは

『HEALTH RULES (ヘルス・ルールズ) 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣』より #2

2022/02/02
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「なんとなく身体に良さそうだから」と摂取することはおすすめできない

 また、妊娠24週から1日2.4gの魚油のサプリメント(EPAとDHA)を摂取することで、早産のリスクが減少(*8)し、生まれた子どもが3歳までに気管支喘息や気管支の感染症にかかるリスクが下がる(*9)という実験の結果もある。魚油のサプリメントは副作用がほとんど無いとされているので、妊娠中の女性は摂取を検討しても良いだろう。

*8 Vinding RK et al. Fish Oil Supplementation in Pregnancy Increases Gestational Age, Size for Gestational Age, and Birth Weight in Infants: A Randomized Controlled Trial. J Nutr. 2019;149(4):628-634.

*9 Bisgaard H et al. Fish Oil-Derived Fatty Acids in Pregnancy and Wheeze and Asthma in Offspring. N Engl J Med. 2016;375(26):2530-2539.

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 例えば病院で鉄欠乏性貧血が指摘されており、鉄分のサプリメントを摂取するように指導されている人はその摂取は続けた方が良いだろう。 味覚障害があり、病院で亜鉛のサプリメントを試してみるように言われ、それで症状が改善している人もいるだろう。このように、病院で医師によってサプリメントを摂取することが推奨されている人は、食事だけでは何らかの栄養素が不足しているということであるので、きちんと飲み続けてほしい。

 まとめると、サプリメントを「なんとなく身体に良さそうだから」と摂取することはおすすめできない。健康上のメリットが無くてお金の無駄遣いなだけでなく、飲み合わせなどで健康被害を生じてしまう人たちもいるからである。その一方で、妊娠前の女性や病院で何らかの栄養不足を指摘された人のように、サプリメントが健康上有益であると考えられる人たちもいる。自分がどのパターンに当てはまるかよく考えて頂き、賢くサプリメントを使いこなすことをおすすめしたい。

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