新型コロナウイルス3回目の接種が決まり、新たな変異株に対しての効果はいかにと世界中の関心が集まっていますが、この最中においても、特定の病気など健康上の理由以外であえての「ワクチンを打たない」選択をする人達がいます。そこにはいわゆる「自然派ママ」も含まれるでしょう。

「自然派ママ」の定義は明確にされていませんが、ひと言でいうならば「人工的なものを極力避ける育児」を実践する母親たちです。医療に頼り過ぎず、昔ながらの知恵と生活を大切にし、オーガニックを好み環境問題にも積極的に取り組みます。

 しかしややもすると彼女らは妄信的になってしまうことも多い。乳児の栄養は絶対母乳。環境と子供の発達によいというふれこみから布おむつを選び、子供の発熱や授乳中の乳腺炎には自然なお手当をとキャベツで熱さまし。ジャンクフードは当然のこと、白米や白砂糖、牛乳などの白い食品を不自然であると嫌います。

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※写真はイメージです ©iStock.com

 そして定期接種のワクチンは調べに調べ、自分の納得したものだけを子供に打たせる、もしくは害とみなして全く打たせない。常在菌を守るため泡で洗うことを避け、服も合成繊維でなく自然素材に。電磁波対策はするものの、スマホやPCを手放せないのは、現代社会に生きる上で仕方のない部分でしょうか?

 こうしたライフスタイルに対して、以前よりたびたび医学的に根拠がない言説だという指摘や、制限の多い生活に振り回される家族の声、身近で目にして戸惑う人たちの声などがネット上で散見されていました。そして、コロナ禍ではノーワクチンである点が人々に不安を与え、これまで以上に世間との溝が深まりつつあるように思えます。

 しかし彼女らは彼女らなりに子供を想っていることは事実。そこで今改めて、「彼女たちはなぜ自然派ママとなったのか?」を考察してみました。

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妊娠・出産の不安から自然派へ傾倒

 自然派ママとなるきっかけで圧倒的に多かったのは、妊娠出産です(“ママ”なので当然っちゃ当然ですが)。女性の身体はただでさえホルモンの影響で不安定であるうえ、妊娠出産はコントロールするのがなかなか難しい領域。そんな健康不安がある上に、特にこの国では子供に対する責任を母親が全面的に背負わされます。