私たちは、どうすれば後悔なく生きられるのだろうか――。それは自分の人生に「あと1年」という締め切りを設け、人間関係や仕事、夢、目標などについて考えてみることだと本書は説く。
著者は、これまで3500人以上の患者を看取ってきたホスピス医。「死」を目前に来し方を振り返り、自分の人生の意味や価値を見出し、やがて《本当の強さ、心の穏やかさ》を手に入れた多くの患者さんに出会ってきた。
死に直面している人に限らず、人生を振り返ることは本当に大切なことへの気づきにつながると考え、本書ではそのための17の質問を用意。読者に伴走するかのごとく、質問ごとに考え方のヒントとなる温かなメッセージを寄せている。
存在感のある、どこか可愛い表紙カバーも特徴的だ。
「重いテーマですが気楽に手に取ってもらいたく、カバーは贈答品の包装紙にも使われる特殊紙を選び、寝っ転がった人のイラストをあしらって敢えて“雑貨感”を出しました」(担当編集者の栗田亘さん)
30代~50代の女性を中心に、コロナワクチン接種率の上昇と共に売り上げも伸びたそう。
「ワクチン接種を終え、ようやくコロナ以外のことを考える余裕ができた人が多かったのでしょう。同時に疲れた体と心に必要な優しさを、本書に求めたのかもしれません」(栗田さん)
2021年3月発売。初版8000部。現在20刷13万部(電子含む)