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自家製のそば、うどん、中華麺

 注文の間にお店のことを少し聞いてみた。「砂場」は昭和27年に創業した。女将さんは現在3代目だそうで、先代が戦後間もなく亀戸から移り住んだという。現在は90歳を超える大女将と女将さんと大将の3人で切り盛りしている。

 朝6時から営業を開始し、コロナによるまん延防止期間や緊急事態宣言下でなければお酒も飲める。そば、うどん、中華麺はお店の地下にある製麺室で自家製麺している。芳醇な返しも本鰹節を中心に使った出汁も中華スープも自家製である。天ぷらは注文の都度揚げ、定食も自家製のものが多く並ぶ。中華麺は季節によって麺の太さを変えているという。

厨房側のスペースにもメニューが
そばうどんで増えていったメニュー

 なんでこんなにメニューが多いのかたずねてみると「お客さんのリクエストに応えていくうちにどんどんメニューが増えて行って、今のような状況になった」という。

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「近隣の工場の夜勤明けの従業員の方たちやタクシーの運転手仲間などが、朝から一杯飲んでそばを食べるという光景が日常だったし、昼は地元の人、夜はまた地元の人の寄り合い。中には1日に2回も3回も来るお客さんもいた」という。

冷たいそばうどんなどで増えたメニュー
天ぷらで増えたメニュー
定食で増えたメニューなど

 つまり、「砂場」はそば屋というよりは食堂、一杯飲み屋、居酒屋という地元民の要望に応えた寄り合い所的な要素をもった店というわけである。

 また、もりそばの辛汁はもともと濃い目のため、「つゆ汁の濃さは調整できます」と壁に書かれている。とにかく、お客さん中心にメニューを工夫して提供している姿が素晴らしい。