ーー同僚の方々の反応にはどんなものが。
北野 化学品検査協会にも組合があって、アルバイトは禁止なんです。組合からすれば、「北野は日曜にバイトしてるんだ」って理屈になりますよね。だけど、みんなが喜んでくれたんですよ。
外回りなどで「たけしさんのお兄さん、北野大の同僚なんです」なんて話すと「え、そうなんですか!」となって、非常に話がとっつきやすくなったそうです。結果的に、歓迎してくれましたね。
『サンモニ』が終わったら、パリ行きの飛行機に飛び乗って…
ーー土曜の夜に打ち合わせをして、そのままTBSのある赤坂のホテルに泊まって、日曜の朝に『サンデーモーニング』に出演してたそうですね。働き盛りといえども45歳ですし、まだ週休2日は主流ではなかったですから、なかなかハードではありますよね。
北野 あの番組は10年間やらせてもらいましたけど、その間の土曜の夜と日曜の朝は家族の団欒ってものはなかったですよね。
当時、OECD(経済協力開発機構)の専門委員も務めていたので、年に6回くらいはパリの本部に行かなきゃいけなかったんですよ。そうすると日曜日の10時にテレビが終わって、すぐさま成田に向かって、そのままパリへ飛んでいく。月曜から金曜の昼まで会議に出て、終わったら飛行機に乗って土曜日に帰って、赤坂に向かうなんてこともありました。
ーー『サンデーモーニング』以降もテレビでご活躍されましたが、意外と性に合っていると思われたのではないですか?
北野 関口さんには、「北野さん、決してテレビがお嫌いじゃないでしょう」とは言われました。
目立ちたがり屋でもないんですけど、話をするのが好きだっていうか。これは持って生まれた性格で。そのへんは弟と共通かもしれませんね。今思えば、決して嫌ではなかったんでしょうね。冗談でスタジオ見学に行っているだけだなんて言ってましたけどね(笑)。
もちろん、そんなアルバイト感覚ではやってないですよ。ちゃんと自分なりに用意して行きますし、自分の本質は、化学の先生だという考えがありましたから。